院長からのメッセージ 8月編
産婦人科ブログ
みなさんおはようございます。
今年は梅雨明けも早く、猛暑の真只中です。
おまけに新型コロナの第7波で医療機関の病床も逼迫している状態です。
当院でも今月からスタッフ向けの
第4回目の新型コロナワクチン接種が始まります。
さて、7月28,29日に、東京で行われた「日本受精着床学会」に
参加してきました。
メインテーマは「不妊治療における保険診療」でした。
皆さんご存知の様に、この4月から人工授精、体外受精-胚移植は
保険適応となりました。
生殖補助医療が保険適応となり、今まで自費診療がメインのクリニックは、
一様に戸惑っているようです。
その不妊治療の保険適応に関する話です。
近畿産婦人科学会では、このタイミングで「社会保険診療部会」の
マニュアル書を作成ました。
その社会保険医療部会は、各府県でレセプト(診療報酬明細書)の
審査員を務めている先生方で構成されています。
滋賀県では私もメンバーの一員として、18年前から務めさせて頂いています。
近畿2府4県のメンバーのなかで、
生殖医療専門医でレセプト審査を長年つとめているということで、
私がその責任者に任命されました。
今年の2月から6月にかけて、
主にzoom会議、時に東京まで赴いてマニュアル作りに奔走しました。
他の委員の先生方の助けもあり、無事に完成する事が出来ました。
各医療機関の先生方には、
分かりやすい診療にむけ利用していただければと思います。
ここで意外と知られていないレセプト請求のミニ知識です。
保険診療をおこなう医療機関は、
毎月10日までに診療内容をレセプトで提出し保険請求します。
レセプト審査委員のドクターは、
問題なくレセプト請求されているかどうかを医学的観点からチェックします。
日本は全国どこでも保険医療機関を受診する際、
原則3割負担で保険診療を受ける事が出来ます。
あとの7割は社会保険料、保険者、税金より賄われています。
つまり、レセプト審査は、企業や個人からの大切なお預かり金が
正しく使われているかのチェック機構なのです。
私は月に3、4回、診療の合間にレセプト審査のため1、2時間ほど外出します。
マイカーで10分ほどの「滋賀県社会保険支払基金」まで
レセプト審査に赴いています。
また、産婦人科専門医のわたしは産科のレセプトをチェックしますが、
内科は内科の先生が、外科は外科の先生が行います。
診療科によっては、
遠く湖北からご自身の時間を使ってお越しになる先生もいらっしゃって、
そのまじめさに頭の下がる思いです。
日本の誇る、この「社会保険医療制度」がこれからも続くことを願っております。
ではみなさん、今月も診察室でおあいしましょう。