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妊活コラム

Ninkatsu Column

妊活中の「最高の贅沢」とは?

船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師
船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師

忙しすぎる日々のなかで

桂川レディースクリニック こうのとり鍼灸担当の船越登紀夫です。

日々、仕事や家事に追われ、
さらに妊活という目標に向かって日々を過ごしている皆さんにとって、
「贅沢」ってなんですか?

高級ブランドバッグを持つこと?

豪勢なディナーを楽しむこと?

最新のiPhoneを予約すること?

確かにそれらも贅沢かもしれませんが、
妊活中の人たちにとってもっと贅沢なこと。

それは、「何もしないこと」ではないでしょうか。

現代人は常に何かをしていないと不安になったり、
効率と結果を求めたりしがちです。

ですが、心身を整えるうえでは、あえて「無」になる時間が、
何よりも薬となることがあります。

これをお読みの方も、今日は少しだけ立ち止まって、
ご自身を回復するための贅沢な時間を取り戻してみてください。

現代人の生活

朝起きてから眠りにつくまで、
私たちの脳は休む間もなく情報を処理し続けています。
スマートフォンの通知、仕事のタスク、そして妊活に関する検索。
気づかないうちに、自律神経は常に戦闘モードである交感神経が
優位な状態になっています。

特に妊活中の方は、体温の変化や食事の内容、
サプリメントの摂取などの生活習慣管理、
不妊治療に関する最新情報の検索、治療中の他の人のブログチェック、など、
常に脳をフル回転させています。

けれど、そのような生活をしていては、
いつかオーバーヒートを起こしてしまうかもしれません。

たまには少し立ち止まって、
「何もしない」という贅沢を味わってみてください。

「何もしない」というのは決して停滞ではありません。
体と心にエネルギーを蓄えるため、体と心に余白を作るため、
そして次のチャレンジに向けての助走期間です。

西洋医学の視点 脳の休息とホルモンバランス

西洋医学的な視点で見ると、
ストレスが過多な状態は脳の視床下部に大きな負担をかけます。
視床下部は自律神経の司令塔であると同時に、
生殖に関わるホルモンの分泌をコントロールする重要な場所でもあります。

ストレスを感じると、
体は生命を維持するためにストレスホルモンであるコルチゾールを
優先的に分泌します。
その結果、本来、妊娠に必要である性ホルモンのバランスが
後回しにされてしまうことがあるのです。
これは、生存本能として「今は危機的な状況だから、
生殖よりも生き残ることを優先しよう」という判断が下されるためです。

「何もしない時間」を持つことは、この視床下部を休ませ、
自律神経をリセットすることに直結します。
脳が「今は安全だ」と感じることで、
初めて体は本来の生殖機能をスムーズに働かせる準備ができるんです。

さらに、慢性的なストレスは血管を収縮させ、
末梢の血流を悪化させます。
(これが東洋医学的にいう「冷え」です)

リラックス状態を作ることは、血管を拡張させ、
卵巣や子宮といった生殖器への酸素と栄養の供給を増やすための
最も効率的な手段となります。

つまり、脳を休めることは卵巣や子宮を温めることと同じで、
妊娠しやすい体づくりの基盤となります。

また、リラックスすることで分泌されるオキシトシンは、
ストレスを軽減し、幸福感を高める働きがあります。
このホルモンが分泌される環境を整えることは、
身体的な準備だけでなく、心の安定にとっても極めて重要です。
脳の疲労を取り除くことは、ホルモンバランスの乱れを整える第一歩なのです。

東洋医学の視点: 生殖の源「腎」を養う

東洋医学において、妊活の要となるのが「腎(じん)」です。
西洋医学の臓器としての腎臓とは異なり、
東洋医学の腎は「生殖、成長、老化」を司るエネルギーの貯蔵庫を指します。
私たちは親から受け継いだ先天の気という生命エネルギーをこの腎に蓄えており、
これを「腎精(じんせい)」と呼びます。

この腎精こそが、新しい命を育むための最も根源的な力です。
しかし、現代人の忙しすぎる生活や止まらない思考は、
この貴重な腎のエネルギーを激しく消耗させます。
東洋医学の五行説では、過度な恐怖や不安、そして休むことのない過労は、
ダイレクトに腎を傷つけると考えられています。

特に「思い悩みすぎること」は、
五行でいう「土」の要素である「脾(ひ)」を弱らせます。
脾は食べたものからエネルギーを作り出す場所ですが、
ここが弱ると腎を助けるエネルギーの供給が止まってしまいます。
腎が疲弊すると、生殖機能が低下するだけでなく、
足腰の冷えや耳鳴り、髪のパサつきといったサインとして現れることもあります。

「何もしない」ということは、
外に向かって垂れ流されていたエネルギーの蛇口を閉め、
腎の中に気を溜めていく行為です。腎は「静」を好む臓器です。
冬が万物を静かに育むように、私たちも静かに深く呼吸し、
何もしない空白の時間を作ることで、腎精は再び満たされていきます。

東洋医学には「静能生動」という言葉がありますが、
静止して腎を休めることで、初めて力強い生命活動が再開されるのです。
腎の気を守ることは、卵子の質や子宮の環境を整えることに直結します。
焦りという火を消し、静かな水のような平穏を心に取り戻すことが、
腎を養う最良の養生となります。

積極的な空白の作り方

最高の贅沢である「何もしない」を実践するために、
いくつかの選択肢を提案します。
これらはすべて、腎を癒やし、気を補うための具体的な養生法です。

①   5分間のデジタルデトックス

スマートフォンを別の部屋に置き、ただ窓の外を眺めたり、
空の色を確認したりします。
情報の入力を断つだけで、脳の疲労感は劇的に軽減されます。
目から入る過剰な情報は「肝(かん)」を消耗させ、
結果として腎を助けるエネルギーを奪います。
視覚を休めることは、全身の血を蓄えることにつながります。

②   呼吸に意識を向けるだけの時間

静かな場所に座り、吐く息を長くすることだけに集中します。
お腹が膨らんだり凹んだりする動きを、ただ客観的に観察します。
吸う息よりも吐く息を長くすることで、副交感神経が優位になり、
全身の緊張が解けていきます。
東洋医学では、深い呼吸は腎まで気を届ける「納気(のうき)」を助けると考えます。

③   目的のない散歩

「どこかへ行く」ためではなく、ただ足を動かすこと自体を楽しみます。
風の冷たさや花の香りを感じるだけで、五感が刺激され、
滞っていた気が巡り始めます。
歩くというリズム運動は、セロトニンの分泌を促し、心の安定をもたらします。
足の裏にある腎の通り道を刺激することも意識してみましょう。

④   湯船に浸かってぼんやりする

お湯の温度を少しぬるめに設定し、浮力に身を任せます。
重力から解放される感覚を味わいながら、
何も考えずに湯気の行方を追ってみてください。
皮膚からの温熱刺激は、血行を促進し、子宮や卵巣への血流もサポートします。
特に腰回りを温めることは、腎の門を温めることになります。

⑤   昼寝という名の積極的休息

15分程度の短い昼寝は、腎のエネルギーを回復させるのに非常に有効です。
深い眠りに入らなくても、ただ目を閉じて横になるだけで、
視覚情報が遮断され、脳と腎が休息モードに入ります。
これは「微睡み(まどろみ)の養生」とも呼べる、心身の修復時間です。

改善のためのツボ押し法

何もしない時間をより豊かにするために、心身をリラックスさせ、
腎を元気にするツボをご紹介します。
呼吸を整えながら、ゆっくりと優しく押してみてください。

1 太溪(たいけい)

場所は足の内くるぶしと、アキレス腱の間のくぼみにあります。

ここは腎の機能を高める最も重要なツボの一つです。
生殖能力を高め、冷えを改善する働きがあります。
何もしない時間に、このツボを優しく円を描くように揉んでみてください。
じんわりとした温かさを感じるまで続けるのがコツです。
腎の気が湧き上がる感覚をイメージしましょう。

2 百会(ひゃくえ)

場所は頭のてっぺん、左右の耳の結んだ線と、
顔の中央の線が交わるあたりにあります。

ここは「万能のツボ」とも呼ばれ、高ぶった神経を鎮め、
自律神経を整える効果があります。
何もしない時間の始まりに、中指の腹で垂直に、
心地よいと感じる強さで押してみてください。
思考の嵐が止まり、頭がすっきりする感覚を味わえます。

3 内関(ないかん)

場所は手首の内側の横紋から、指3本分ほど肘に向かったところにあります。
浮き出ている2本の筋の間に位置します。

精神的なストレスや不安、イライラを和らげるのに非常に効果的です。
妊活中のプレッシャーを感じたとき、ここを親指で優しく揉むことで、
高ぶった気が下がり、深いリラックスモードに入りやすくなります。

最後に

「何もしない」ことは、決して怠慢でも後退でもありません。
それは、自分自身の心と体、そしてこれから出会う未来の赤ちゃんのために、
最高に贅沢で必要な投資と言えます。

その贅沢な時間が、体本来の力を引き出し、
心地よいリズムを取り戻すきっかけになるはずです。
腎が満たされ、心が静まり、体の隅々まで気が巡るようになったとき、
体は本来持っている健やかさを取り戻します。

完璧主義な人ほど、何もしないことに罪悪感を持つかもしれません。
しかし、空っぽの器にしか、新しいものは入ってきません。
一度、抱えているタスクや不安をすべて置いて、
真っ白な空白の時間を作ってみてください。

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桂川レディースクリニック併設 こうのとり鍼灸はこのような方におススメです。

◇ 冷えが気になる
◇ 疲れが取れない
◇ 自律神経が乱れているかも?
◇ 運動不足で代謝が悪い
◇ ホルモンバランスが悪い
◇ ストレスが溜まっている

もし、当てはまるものがあれば、こうのとり鍼灸に相談に来てくださいね。
「健康」に近づけ、一緒に妊娠しやすい身体づくりをしていきましょう。

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【こうのとり鍼灸ルーム】

開催日:毎週水・土曜日 14:00~19:00 
受付時間(14時・15時・16時・17時・18時)*施術時間は40分程度
場所:当院4階 エステルーム
料金:不妊治療サポート(鍼灸治療、自律神経調整を含む)   7,000円(税込)
担当:船越鍼灸整骨院 船越 登紀夫 

*ご予約は1回分ごとの受付になります

◇   船越鍼灸整骨院 → https://funa-in.com/