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日帰り卵管鏡下卵管形成術(FT)

日帰り卵管鏡下卵管形成術(FT)

FT

当院のFT後のタイミング・AIHの妊娠率は30歳未満で42.1%、40歳未満で31.3%という好成績です。

日帰り卵管鏡下卵管形成術(FT)とは?

FTとは、不妊治療のうち、卵管が狭くなったり詰まったりして、卵子や精子が卵管を通ることができない「卵管性不妊症」の患者さんを対象にした内視鏡治療のひとつです。カテーテルと呼ばれる細い管を膣から子宮、そして卵管入口まで挿入し、カテーテルに内蔵されたバルーンを卵管内で押し進めることで詰まった卵管を拡げる治療法です。

メスなどによる切開を行うことなくカテーテルを挿入するため身体への負担が少ないのはもちろん、治療時間も30分程なので外来での治療が可能です。また、治療と同時に、内視鏡(卵管鏡)で卵管内の状態を確認することもできます。このFTは保険が適応されています。


特徴

  • 日帰りでの治療が可能
  • 基本的に1回の治療で済むことが多い
  • 身体への負担が少ない
  • 自然妊娠の可能性が高まる
  • 健康保険が適用されている

FTの流れ

手術に用いる器具

治療器具は、内視鏡(卵管鏡)と、それを取り囲むようにある、風船(バルーン)を内蔵した細い管(カテーテル)です。

カテーテルを挿入

カテーテルを膣から子宮へと挿入し、卵管入口に近づけます。

バルーンを閉塞部へ進める

卵管内で、カテーテルに内蔵されたバルーンを押し進めます。

閉塞部を広げる

バルーンを進めることにより、狭くなったり詰まったりしている部分を拡げます。

確認・終了

最後に、通過障害が改善したことを卵管鏡で確認します。


FTに適した時期

月経終了から排卵までの期間がFT治療に適しています。
排卵後は子宮内膜が厚くなり、卵管の入口が見えにくい場合があります。また、次の月経間際だと子宮内膜が出血しやすい場合があるため、排卵前をお勧めします。


麻酔

外来治療の場合は、子宮の入口部分への局所麻酔、または静脈麻酔を使用します。
腹腔鏡併用の場合には、全身麻酔で治療を行います。


治療時の痛み

卵管をバルーンが通るときや炎症止めの薬液を流すときに痛みを感じることがあります。痛みの感じかたには個人差があり、まったく痛くない、生理痛のような痛み、お腹を壊したときのような痛み・・・・など様々です。


副作用

  • 麻酔に伴う副作用は他の手術と同程度です。
  • 稀に腹腔内出血をおこし入院を必要とする可能性があります。
  • 術後に腹痛や少量の出血、発熱を伴う可能性があります。
約30分ほどで治療でき、ほとんどの方は翌日からの痛みもありません。健康保険も適用されます。卵管因子により体外受精を勧められているけれど、自然妊娠を望んでいる方に有効な治療方法と言えます。外来でご相談ください。