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Ninkatsu Column

≪当院の排卵誘発・採卵スケジュールについて➀≫

小田 沙希恵/臨床検査技師 生殖補助医療胚培養士 認定臨床エンブリオロジスト
小田 沙希恵/臨床検査技師 生殖補助医療胚培養士 認定臨床エンブリオロジスト

こんにちは、培養部です。

連日厳しい暑さが続いていますが、
皆様いかがお過ごしでしょうか?

私は日中外出していると、帰宅時には熱中症の様な症状が出てしまったり、
と残暑をビシビシと感じています😢  
早く涼しくなって欲しいです・・・。

以前のブログで「培養室の一日について」をお話しましたが、
その《採卵》におけるラボ業務についてお話をさせていただく前に、
まずはその卵をどのように育てていくのか?についてお話したいので、
今回は当院の排卵誘発についてお話していきたいと思います。

排卵誘発の方法

  • 高刺激法(アンタゴニスト・PPOS・ショート・ロング法)

生理3日目から約7~10日間ほど連続で排卵誘発剤(FSH/HMG)の
お注射をすることで、たくさんの卵胞を育てます。
一回の採卵でなるべく多くの受精卵の獲得を目指します。

  • 低刺激法(クロミッド・レトロゾール/HMG法)

内服の排卵誘発剤とお注射(HMG)を組み合わせて、卵胞を育てます。
過排卵刺激に比べて、体への負担は軽くなります。
一回の採卵で数個の受精卵の獲得を目指します。

  • 自然周期法

お薬を使わずに自然に発育する1個の卵での妊娠を目指します。
体への負担は軽くなりますが、
受精卵が獲得できないことや移植ができない場合があります。

上記が主な排卵誘発の方法となります。

これら誘発法の中で、当院では採卵一回当たりの受精卵を
なるべく多く獲得する為に、
初回は基本的に高刺激法を選択することが多いです。

(※患者様によっては初回でも他の排卵誘発法を行う場合があります。)

また、当院では以前は高刺激法の中のショート法や
アンタゴニスト法などを主に行っていましたが、
2019年頃からPPOS法という卵巣刺激法を主に行っています。

ですので、今回は高刺激法の中のPPOS法についてお話したいと思います。

【PPOS法】

PPOS(Progestin-primed Ovarian Stimulation)

採卵前に排卵してしまわないように、
排卵を抑制する方法としてショート法・ロング法は点鼻薬で排卵を抑制し、
アンタゴニスト法は注射で排卵を抑制、
PPOS法は黄体ホルモン製剤(ルトラール等)で排卵を抑制します。

またPPOS法は、注射のような身体的負担や
経済的負担も少ないということもあり、
治療成績も同等なPPOS法が当院では主な排卵誘発法となりました。

今回は以上となります。

次回は採卵スケジュールのお話をしたいと思います。

私事ですが、私が培養士ブログを始めて早1年が過ぎました。
毎月どういった内容にしようかなと頭を悩ませながら書いていますが、
少しでも皆様に読んでいただける様なブログを目指して頑張っていきます!

最後までご覧頂きありがとうございました。

また次回もお楽しみに~👋