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妊活コラム

Ninkatsu Column

「頑張れって言われるとつらくなってしまうのですが、どうすればいいですか?」

上田 聡代/不妊症看護認定看護師
上田 聡代/不妊症看護認定看護師

こんにちは。
今回取り上げた、この質問は、単独にストレートにある質問ではありません。

特に、特定の悩みを話される方ではなく、
一見明るく何の問題も抱えておられないような方とお話をしていく中で
‟ふいに現れる“よくある質問のような印象があります。

例えば、「幸いにも職場に理解してくれる上司がいてラッキーなんです」
「夫は何でも協力すると言ってくれてます」
「義母は優しくて不妊治療を受けることも話せて応援してくれています」など……。

そんな方のお話をゆっくり伺っていると、
ふと「ただ…。頑張れって言われるとつらくなるんです。どうすればいいですか?」と、
時には言葉につまりながら問いかけられることは珍しくありません。

もう、気づいておられる方は多いと思います。

不妊治療中の患者さんは、
それぞれ、なんらかの不安や悩みを抱えて頑張られているのです。

あまり口にされることはなくても、
その人なりの努力や頑張りをされているのです。

例をあげると……。

不妊治療と仕事を両立するために、
会社で気を使いながらスケジュールを合わせる。

時には周囲との関係が悪くならないよう、
胸に突き刺さる言葉も飲み込み笑顔を浮かべる。

1本早い通勤電車に乗り、一駅前で降りて歩き運動する。

疲れた体で手抜きもしたいけれど、
妊活のためにとバランスの良い食事を頑張って作り食べている。
不足分はサプリメント、鍼灸や漢方薬も取り入れる。

ドラマや映画を見たいけれど、
睡眠が大切だから我慢して睡眠をしっかりとる。

金銭的節約のために、毎日お弁当作りは欠かさない。
趣味の旅行はしばらく我慢。

いかがでしょうか? まだまだあります。

見えないところで、何かしら自分を犠牲にして、
生活の中に頑張りを取り入れている方は、とっても多いのです。

私たちは幼いころから、努力すること、
目標に向かって前向きに取り組む大切さを徹底的にたたき込まれます
確かに、受験勉強や仕事、何かの技術を習得する時の
目標を設定して前向きに取り組むことは
成果に結びつくことが多いかもしれません。

でも、不妊治療の現実は厳しいものです。
女性は年齢が上がるにつれ、妊娠できる確率は下がります。
どんなに努力しても100%妊娠できる保証はありません

私たちは、幼い頃から培われた努力の習慣があるから、
うまくいかない度、こう思いがちです。
「頑張りが足りないからダメなんだ。もっと頑張らないといけない!」

そして、周囲も当然のように「頑張れ」と励ますので、
さらに頑張らなくてはいけなくなる。

「これ以上、どう頑張るんだ?!」と泣きたくなるくらいに、
本当にキツイ状況です。

どうすれば良いか……。

この答えは、おひとりおひとり異なるので、
具体的なことは「不妊症看護認定看護師による妊活相談」
一緒に考えていきたいと思います。

ただ、これだけは共通してお伝えしたい。

まずは、「私はもう十分頑張っている!」と、
客観的に認識して、自分に優しく接してほしいと思います。
自分は自分の最初の味方なのですから!

それから、周囲の皆さんも、
できれば「頑張れ」よりは、「頑張っているね」と努力を認め、
ねぎらう言葉をかけてほしいと思います。
特に身近な存在の方には…!(^^)!