妊活コラム
Ninkatsu Column
【分割時の異常所見って??】
こんにちは!培養部です。
皆さま、明けましておめでとうございます🎍
保険適応開始からもうすぐ2年経ち、毎年件数が増えてきています✨
2024年は辰年なので、昨年よりも妊娠患者様が増える(上昇する)ように、
日々奮闘していきます。
どうぞよろしくお願い致します!
さて今回は、昨年の10月のコラムの
『タイムラプスインキュベーターってなんだろう?』にてお知らせしていました
『タイムラプスインキュベーターで観察できる異常所見について』です。
当院では2021年1月から導入しています。
これまでに観察した、異常所見をお話していきます。
タイムラプスインキュベーターについてはこちらをご覧ください。
↓
タイムラプスインキュベーターは
経時的に観察する為、
分割中に異常があるかどうか確認することができます。
まず初めに、正常な分割様式を知っていただいた方が
わかりやすいと思いますのでご説明します。
卵子は受精した時点ではまだ1個の細胞です。
そこから分割が始まり、1個の細胞が2→4→8細胞と倍に増えていきます。
こちらが正常な分割様式となります。
それでは、分割時に観察できる異常所見についてお話していきますが、
すべて説明しますと長くなりますので今回は2種類お伝えします。
1つ目は【Direct cleavage(DC):ダイレクト分割】と呼ばれるものです。
先ほど、正常な分割様式は
『1個の細胞が2→4→8細胞と倍に分割していく』とご説明しましたが、
このDCは『1個の細胞が一気に3細胞以上に分割する』所見になります。
2つ目は【Reverse cleavage(RC):リバース分割】と呼ばれるものです。
RCは複数に分割した細胞が融合する現象になります。
DCとRCが起きる詳しい原因は分かっていないです(汗)
しかし、DCでは一気に3細胞以上に分割するため、
染色体の分配異常が生じたり、RCでは2つの細胞に分離された染色体が
再び1つの細胞に戻っているため染色体数の異常が生じている可能性があるため、
どちらも発育不良が多く胚盤胞になりにくいということが知られています。
こちらは1細胞から4細胞にDCが起きていますが、胚盤胞に発育します。
DCやRCは胚盤胞まで育てば、
異常所見のない胚盤胞と妊娠率に差はないと言われているため、
胚盤胞移植では移植順位は同等にしています。
しかし分割胚移植の場合は、胚盤胞になりにくいため、
移植順位は下げています。
ただ、妊娠する可能性のある貴重な胚ということには変わりありません!
分割胚・胚盤胞で凍結出来たすべての胚に対して、
異常所見があれば記録しています。
このような異常所見は胚移植の順番を決める重要なポイントになるのです!
今回はここまで!
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは次回をお楽しみに〜🖐️