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妊活コラム

Ninkatsu Column

アンケートより

上田 聡代/不妊症看護認定看護師
上田 聡代/不妊症看護認定看護師

アンケートより

「数えきれないくらい夫婦ケンカをしたことは、良かったです」

不妊治療中につらかったことをお聞きしています。
その時には話ができなくても、
振り返れば話せることをお聞きして…

同じように考えている方、
経験している方に「なにかサポートできないかな…」と
考えながら読ませていただくことが多いです。

先月手元に届いたアンケートを、ゆっくり振り返ってみると、
自由記述のところにたくさん書いてくださっていた方がいました。
「数えきれないくらい夫婦ケンカをしたことは、良かったです」と、
その中の一行がありました。

ケンカをしたことを良かったことと思えるって?
それ以上、詳しいことが書いていなかったので、
ここからは私の想像になることはご了承ください。

不妊治療を始めると、「夫婦の温度差」から始まり、
「ケンカ」をする回数が増える方、
反対に「相手に対しての思いやり」が大きくなり、
仲良くなる方、と様々です。

このアンケートを書いてくださった方は前者なのかな? 
と考えたりしていました。

そもそも、「夫婦の温度差」って、どこから始まるのでしょうか?
 男性と女性には性差があります。差別ではなく、異なるのです。
一般的に言われていることが、「焦る女性と焦らない男性」です。

女性は、月経と共に生活してきているので、
妊娠や出産を身近に感じる人が多いのに対して、
男性は全く身近に感じない人が多いのです。
一般不妊教室で、生殖医療専門医の桂川院長が
「妊娠のしくみ」を簡単に説明するのですが…

「初めて知った」という男性は非常に多いです。

そのため、妊娠しないな…と、初めに感じるのは女性が多いのです。
そして、「もしかして不妊?」「なんで妊娠しない?」
「病院に行った方がいい?」など、
月経がくるたびに不安と焦りが大きくなるのです。
最近では、多くの情報が入ってくるので、
過剰に心配してしまうこともあるかもしれませんね。

それを口にすると、全くわからない男性は、
「?」「なにを焦っているのか?」
「大丈夫。そのちできるよ」となるわけです。

すると、「なんでわかってくれない?」
「焦り過ぎ!神経質になり過ぎ!」という感じで
ケンカになってしまうのでしょうか?

このアンケートを書いてくださった方のように、
喧嘩がダメなわけではなく、「建設的なケンカ」の場合、
良かったと思えるのかもしれません。

また、喧嘩ができるということは、
「気持ちをぶつけ合うことができる」ということですよね。
ぶつかり合いながら、同じ方向に向かっていく(つまり建設的なケンカ)ことは
2人にとって良い結果だったのですね!

ただ、喧嘩をして「エネルギー」が消耗してしまう、
建設的なケンカではなく、崩壊するだけのケンカとなると、
お互いに疲れてしまいます。

「この喧嘩はよくないぞ…」と感じたら、
遠慮なく声をかけてくださいね。
どのような喧嘩だったら、
この方のように「数えきれないくらい夫婦ケンカをしたことは、良かったです」
と思えるのか、一緒に考えていきましょう!

これは私の経験から感じることですが、
妊活中に「数えきれないくらい夫婦ケンカをしたことは、良かったです」
と思える方は、建設的なケンカの方法を知っておられるので、
妊娠中、育児中も喧嘩をしながら、
素敵な家庭を築いておられるように感じます。