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妊活コラム

Ninkatsu Column

ストレス緩和

船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師
船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師

桂川レディースクリニック こうのとり鍼灸担当の船越です。

「ストレスは妊活に悪影響」ということはご存知と思いますが、
今回は「ストレスが溜まるとどうなるの?」、
「ストレスが溜まっているか、どうやったらわかるの?」
という基本的なところを押さえておきましょう。

【ストレスによる不調にはどんなものがあるのか?】

ストレスによる不調は「身体的症状」と「精神的症状」として現れますが、
ほとんどが「自律神経の乱れ」を出発点とするものです。

ですから「ストレスによる不調=自律神経失調状態」と考えてよいと思います。

そして現代人の自律神経失調の原因のほとんどは
「リラックス不足」、「休息不足」にあると思われます。

下に自律神経の状態を知るセルフチェックリストを載せておきますので
参考になさってください。

自律神経チェック表(東邦大式医学指数問診票)
https://funa-in.com/wp-content/uploads/2020/01/a354117abba0364d6a1f2a547bb101f4.pdf

それぞれ 11 個以上あると自律神経失調症の傾向があると思われ、
「はい」の数が多いほど可能性が高いと考えられます。

「1」肉体的症状」と「2」精神的症状」のどちらも
「はい」が 10 個以下であれば心身とも「まだ許容範囲内」と思われます。

(ただし「許容範囲の中にある」だけで「健康な状態であるとは言えない」かもしれません。)

【ストレスを受けると身体はどう反応するか?】

動物の身体がストレスを受けると自律神経である「交感神経」が活発に働きます。

(自律神経、交感神経については以前のコラムを参考にしてください →
 https://katsuragawa-lc.com/pregnancy/

このコラムにも書いたように、ストレスを感じると
「交感神経は身体を『戦う』のに適した状態(つまり戦闘態勢)」にしますので、
身体を動かす筋肉への血流は増やします。
そのため腹部内臓への血流が減ってしまいます。
もしも、血流が減った状態が長く続けば内臓機能(子宮、卵巣を含む)が
低下することも考えられます。
(これが「ストレスが妊活に良くない」という理由の一つです。)

その他の反応としては、「交感神経」は皮膚の血管を収縮させます。
そして、筋肉への血流量を増やすために「心拍数」が増え、
筋肉の「緊張度」も高くなります。

ストレスが無くなると、これらの反応は解除され、
今度は「副交感神経(身体を休息、リラックスに導く神経)」が
働き身体を回復させるようにします。
しかし、ストレスが多いままだと「交感神経」は働きっぱなしで
「戦闘態勢」が解除されません…。

つまり、ストレスによる自律神経失調は
「交感神経が働き過ぎている」というところに問題があります。

(言い換えれば「身体と心がリラックス出来てない」ということになります。)

次に、上記のようなチェックリストの内容以外で、
僕が「どのように患者さんの身体をみせていただいているか?」
という目線をご紹介してみます。

もし、それらに当てはまる場合は「ストレス蓄積度が高い」または
「ストレス状態が長期間続いている」ということが考えられ、
その事から自律神経系、内分泌系の機能を低下させて妊活に
悪影響を及ぼしている可能性がありますのでチェックしてみてください。

【チェック①:お肌】

上述のように、ストレスを受けて「交感神経」は皮膚血管を収縮させます
(だから「冷え」を感じやすくなります)。
その状態が長く続けば血行が悪くなり皮膚の栄養状態が悪くなって
「肌理」が粗くカサカサお肌になってきます。

【チェック②:動作】

一つひとつの動作が「とても速い」です。外から見ると「慌ててる」、
「焦っている」ように感じます。

ストレスによりメンタルが落ち着かず、
様々なことに過敏に反応していることの現われです。

その結果、筋肉の緊張度が高く、首筋や肩回り、
背中などの筋肉がこわばっていることが多いです。
(症状として「肩こり」「腰痛」をお持ちの方が多いです。)

【チェック③:呼吸】

ご自身ではなかなか意識するのが難しいかもしれませんが、
ストレスから「交感神経」が強く働いていると呼吸が「浅く、速く」なります。

これも筋肉への血流を増やし、
筋肉を動かすのに必要な酸素供給量を増やすための反応ですが、
そのため内臓への酸素供給量が減り機能低下を引き起こす事が考えられます。

【チェック④:早口】

チェック②動作、③呼吸とも関わるのですが、
とても「早口」になっています。

その他、「脈状」、「目(瞳)の状態」、「お腹の状態」など、
ストレス反応としての自律神経の乱れは色々なところに現れてくるので、
それらを合わせて身体をみせていただいています。

【自律神経を整えるために】

妊活において「自律神経を整える」というのは、
「身体と心をリラックスさせる」というのと
同じ意味と思ってもらって構いません。

ですから、極端に言えばご自身でリラックス出来ると感じるのであれば方法は
何でも良いと思います。

これまでにも「桂川レディースクリニック 妊活コラム」では
「ストレス緩和」の方法をご紹介してきましたので、
参考になさってください。

→ 妊活ストレス~30秒ハグで軽減~
 https://katsuragawa-lc.com/pregnancy/

あと、心がけていただきたいのは「ゆっくり」ということ。

上記チェックポイントを参考に、「ゆっくりとした動作」、
「ゆっくりとした呼吸(腹式呼吸がおススメ)」、
「ゆっくりとしゃべる」ということを意識してみてください。

動作や呼吸が速くなっている、早口になっている、
ということに気づいたら(客観的に、ご自身の状態がどうなっているのか?を感じられる「ゆとり」を持っていただきたいかなと思います)、
「ゆっくり」に切り替えてみてください。

それを意識的に行うことで「脳へフィードバック」がかかり、
緊張した状態が緩和しやすくなりますよ。

  • 追記

近年、食事の際に「ゆっくりと噛んで食べる」ことが副交感神経系を刺激して、
リラックス効果、セロトニン分泌誘発するという研究結果が出ています。
上記に加えて日常生活に取り入れてみてください。

(セロトニン:脳内の神経伝達物質のひとつ。
「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神安定作用があります。)