
妊活コラム
Ninkatsu Column
卵子凍結~第4回~

こんにちは!
暖かい日が少しずつ増え春らしい季節となりましたが、
まだまだ日中の寒暖差は大きいですよね。
体調を崩しやすい時期でもあるので、みなさんお体ご自愛下さいね。
さて前回の培養士による妊活コラム(卵子凍結~第3回~)で、
何個の卵子を凍結保存しておけば将来出産できるのでしょうか?
と年齢別のデータを紹介させていただきました。
今回は、採卵して回収できた卵子について詳しく説明していきたいと思います。
「卵子凍結~第2回~」で採卵を行って卵子を回収すると
お話をさせていただきました。
では、採卵で回収できた卵子は全て凍結保存できるのでしょうか?!?!
答えは、
全て凍結できる場合とできない場合があります!
回答を濁しているように思われるかもしれませんが、
このような回答になる理由をご説明します。
採卵で回収できた卵子には
①成熟卵子
②未成熟卵子
③変性卵子
大きく分けて3種類の卵子が含まれています。
①成熟卵子
受精の準備が整った状態の卵子(MⅡ期)

第1極体と呼ばれる細胞が細胞質から放出されているもの
②未成熟卵子
受精の準備が整っていない状態の卵子(MⅠ期、GV期)
未成熟卵子では、2種類の状態の卵子があります。

第1極体がない卵子(MⅠ期)

第1極体がなく、卵核胞(GV)が確認できる卵子(GV期)
③変性卵子
採卵の時に生存が確認できなかった卵子
この3種類の中で、凍結保存をできる卵子は、
「成熟卵子」のみです。
採卵で採れた卵子うち、
約80%が成熟卵子であるというデータもありますが、
卵巣刺激法、年齢や不妊原因などの影響で
成熟卵子を獲得できる割合は変動します。
このことから、採卵で回収できた卵子の数が
凍結保存できる卵子の数と同じではないことがあります。
もちろん全ての卵子が成熟卵子であれば、全て凍結保存できます。
この卵子の成熟度によって凍結保存の可否を決定するため、
先の濁したような回答となります。
今回を含め、卵子凍結について4回にわたり紹介させていただきました。
最後に、卵子凍結でよくある質問について
ご紹介して終わりにしたいと思います。
~質問~
卵子凍結は何歳までできるのですか?
~回答~
日本生殖医学会が公表している
「社会的適応による未受精卵子および
卵巣組織の凍結・保存に関するガイドライン」では
「凍結・保存の対象者は成人した女性で、
未受精卵子等の採取時の年齢は、40歳以上は推奨できない。
また、凍結保存した未受精卵子等の使用時年齢は、45歳以上は推奨できない。」
とされています。
加えて凍結保存した卵子を使用した後のことも考慮する必要もあります。
卵子が若くても母体年齢が高いと
妊娠率の低下や出産時の身体的負担も増加するためです。
もちろん、凍結保存したけれど
それを使用しないという選択肢もあります。
昨今の社会情勢の中、
「卵子凍結」への関心は高まってきています。
卵子凍結のメリットとデメリットの双方を理解した上で、
卵子凍結をライフプランの選択の1つにしていただければ幸いです。
当院では
オフライン/オンラインのどちらでも
対応できるカウンセリングを実施しています。
卵子凍結で悩まれることがございましたら
当院にご連絡いただけたらと思います!!
次回もお楽しみに!