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Ninkatsu Column

夏の妊活 ~代謝を上げましょう~

船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師
船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師

桂川レディースクリニック 「こうのとり鍼灸」担当鍼灸師 船越登紀夫です。

暑い夏がやってきました。
気象庁の3カ月予想によると、今年も気温が30℃以上の真夏日、
35℃以上の猛暑日が続出しそうとのことです。
これだけ暑くなると、クーラー無しでは過ごせないようになりますが、
不妊治療中の方の体温が下がることは禁物です。
しっかりと「代謝」を上げて妊活に臨みましょう。

  • 妊活に必要な温度

ヒトの身体は一定の体温を保つために、
エネルギーを燃やして「体熱」を作っています。
(これを「代謝」と呼びます。)
そして、ヒトの細胞が活発に機能しやすい温度は「至適温度」と呼ばれ、
細胞の種類にもよるのですが概ね37℃前後です。
これよりも高くても低くても細胞の働きは低下します。
ですから、妊活で望ましいのは臓器温が至適温度であることで、
そのためには体熱産生するための「代謝」を活発にすることです。
*「臓器温」は、「深部体温」ともいいます。
「深部体温」とは、内臓や脳の温度のことで通常は36.5~37.5℃程度です。
正確に内臓や脳の温度を測ることは一般的には出来ないため、
近似値として「直腸温」を測ります。
日常的に「直腸温」を測るのもなかなか難しいため、
基礎体温などはこれに近い「口腔温」で測ります。
「口腔温」の方が「直腸温」よりも少し低く、
その差は0.4~0.6℃くらいです。

  • 代謝による体熱産生

身体に備わっている『代謝による体熱産生システム』には大きく3つあり、
その内訳は以下のようになっています。

①基礎代謝(60%)

②食事誘発性代謝(10%)

③身体活動性代謝(30%)

「①基礎代謝」とは”安静にしている状態で
生命維持のために消費される必要最低限のエネルギー代謝量”のことです。

動物が物を食べると、それを消化、吸収するために代謝が行われます。
(②食事誘発性代謝)

そして、動物が身体を動かすと代謝が活発になります。
(③身体活動性代謝)

代謝によって熱が作られ、
その熱が血液によって全身に運ばれて体温となります。
代謝が活発で正常であれば、
体温も至適温度に保たれて細胞が正常に機能して健康でいられるわけですね。
しかし、代謝が悪ければ全身の体温も低くなりますし、
それに伴って臓器温が「至適温度」よりも低くなると、
内臓も活発に働けないため具合が悪くなってしまいます。

もしも、運動を全くしない人がいたとしたらその人は、
①基礎代謝60%と②食事誘発性代謝10%でしか体熱を作れないわけですから、
体温は低くなると考えられます。
事実として、ある統計によると50年前の日本人の平均体温は36.89℃で、
現在の平均体温は36.20℃になっているそうです。
現代人は運動不足の人が多く、「身体活動」で行なわれるはずの代謝が
少なくなっているのでこれは当然のことかもしれません。

冬の寒さやクーラーによる冷えは、
基礎代謝を下げて全身体温も臓器温も低くなる恐れがあります。
代謝が悪くなると、卵巣や子宮などが至適温度よりも
下がってしまう恐れがあることが問題なんですね。

  • 代謝を上げるにはどうすれば良いですか?

前述の『代謝による体熱産生システム』の内訳をみていただければ分かるように、
まずは体熱産生の60%を占める「基礎代謝」を上げることを目指しましょう。
「基礎代謝量」は、筋肉量が多い人ほど高い値を示しますので、
代謝を上げるには運動が効果的です。
さらに運動すれば「身体活動性代謝」で
代謝を30%増しすることが出来るわけですね。

  • 代謝を上げるためにはどんな運動が良いですか?

目安は「軽く汗ばむ程度」の運動が良いでしょう。
ウォーキングなどの「動的な運動」でも、
ストレッチやヨガなどの「静的な運動」でも、
汗ばむくらい体温が上がるのであればどちらでも構いません。
ポイントは「まず、始めること」です。

  • 運動する時間がありません…。どうしたら良いですか?

「代謝を上げること」が難しいのであれば、
少なくとも「代謝を下げない」ように気をつけましょう。
クーラーの冷気から身体を守るために、夏場でも腹巻きなどは有効です。
お風呂もシャワーで済ませず、
ぬるめのお湯(38~39℃)で構いませんので湯船に浸かるようにしましょう。

  • 代謝を上げるツボ

東洋医学では、「気(身体のエネルギー)」と「血(血液、栄養素)」と
「水(体液)」のバランスが崩れると代謝が悪くなり、
体温が上がりにくくなると考えています。
下記は、冷えによる代謝低下を改善するのに効果的なツボです。
「セルフお灸」などでメンテナンスしておくとよいでしょう。

陰陵泉(いんりょうせん) 
ひざの内側の下にある太い骨(脛骨内側顆)の下にあるくぼみ

三陰交(さんいんこう) 足の内くるぶしから指4本分上

水分(すいぶん)
 身体の真ん中をとおる「正中線」上で、へそから親指幅1本分ほど上に位置します

本来、夏は代謝が良くなり体温が上がる時期です。
それなのにクーラーの冷えや運動不足で
体温を下げてしまうのはもったいないと思います。
この夏に、タイミングや採卵、
胚移植などのイベントが控えている方は、
代謝を良くして体温を上げておくようにしてくださいね。

こうのとり鍼灸はこのような方におススメです。
◇ 冷えが気になる
◇ 疲れが取れない
◇ 自律神経が乱れているかも?
◇ 運動不足で代謝が悪い
◇ ホルモンバランスが悪い
◇ ストレスが溜まっている

もし、当てはまるものがあれば、
こうのとり鍼灸に相談に来てくださいね。
「健康」に近づけ、一緒に妊娠しやすい身体づくりをしていきましょう。

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【こうのとり鍼灸ルーム】
開催日:毎週水・土曜日 14:00~19:00 
受付時間(14時・15時・16時・17時・18時)
*施術時間は40分程度
場所:当院4階 エステルーム
料金:不妊治療サポート(鍼灸治療、自律神経調整を含む)   7,000円(税込)
担当:船越鍼灸整骨院 船越 登紀夫
*ご予約は1回分ごとの受付になります