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妊活コラム

Ninkatsu Column

妊活と気象病

船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師
船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師

桂川レディースクリニック 「こうのとり鍼灸」担当鍼灸師 船越登紀夫です。

タイミング、採卵、胚移植などイベントの前後は「気象病」に気をつけましょう!

雨が多くなる時期になりました。

梅雨になると、雨はイヤですし、
ジメジメして気持ちもスッキリしないことが増えますね。
お天気が体調や気持ちに影響することを多くの人が経験していると思いますが、
気温や気圧、湿度などによって体調が悪くなり、
心身ともに様々な不調が出てしまうものは「気象病」と呼ばれています。

「気象病」には、
「雨が降る前に古傷が痛む」というような「痛み」が主症状のものもあれば、
倦怠感、首こり、肩こり、頭痛、めまい、動悸、息切れ、低血圧、
胃腸障害、不眠、抑うつなど、「自律神経失調症状」がみられることもあります。

「気象病? 病気なの? 私には特にそんな症状出てないから関係ないわ。」
と思った方もいるかもしれません。
しかし、症状がみられなくとも我々の身体は知らず知らずのうちに
気象の影響を受けています。
その悪影響が、「妊活の妨げ」になっている可能性もあるかもしれませんので、
これから何かのイベントがある方はしっかりと対策しておきましょう。

腹部の「水滞」は子宮や卵巣を冷やします

東洋医学的に「気象病」は、「水滞(すいたい)」が
過度に進んだ状態と考えられています。

「水滞」とは「水毒(すいどく)」とも言い、
身体の水はけが悪くなり、身体の一部(進行、悪化すると身体全体)で
水が溜まることで様々な症状がみられるようになった状態をいいます。

体内の「水」の移動がスムーズにいかなくなり、
局所的な水の貯留が起こることから始まります。
下半身に起これば足の冷えやむくみ、腹部に起こると胃腸系の症状、
生理痛や月経不順、頭部に起こると頭痛やめまい、
首のコリなどの症状がみられるようになります。
特に腹部の「水滞」は、冷え、血流不足につながるため、
子宮や卵巣を守らないといけない人は注意が必要です。

どちらかと言えば、体内の水分の多いポッチャリ型の汗かきさんに
多くみられますが、痩せすぎさんや運動不足で筋肉の少ない人でも
体内の水分量が少なくなると水滞は起こります。

「水滞」は、気圧や湿度、気温の変動に影響をうけやすく、
梅雨の時期には悪化しやすくなります。

やっかいなのは、「水滞の初期症状」というのが、
「日常生活にはあまり支障のない症状」、
「ガマンできないほどではない症状」なので、
患者さんもあまり重要視しないことなんですね。
ですから、対処しないまま徐々に進行していく場合が多いんです。

以下、「水滞」の初期症状から病態の進み方を書いておきますので
参考になさってください。

「水滞」の症状

1.足の冷え
水が溜まると、まず「冷え」を感じるようになります。
まずは「保温」を心がけてください。シャワーだけで済ませるのでなく、
ぬるめのお風呂にゆっくり入るのが効果的です。

2.足のむくみ
身体の中で水が溜まりやすいのは末梢部分です。
デスクワーク中心の方や運動不足の方は注意が必要です。
初期であれば適度な運動で解消されますので、
ウォーキングやストレッチなどをして水の体内循環を促しましょう。

3.お腹の症状
足のむくみ、冷えが進み、水滞が進行するとお腹にも影響が出てきます。
食べたものが胃腸をスムーズに通過しないので、「胃もたれ」、「食欲不振」、
「げっぷがよく出る」などが出てきます。
(腹診させていただくと胃の辺りに「チャポチャポ」と音が鳴ることがあります。)

胃腸の働きが停滞しているので「便秘」になりやすいのですが、
周期的にお腹に溜まったものが一気に出てくるように
「下痢」を起こすことがあります。
(普段は便秘なのに、傷んだものを食べたわけでもないのに
たまにお腹をこわすことがある、というパターンです)

基本的には水はけが悪くなるので尿の出が悪いパターンが多くなります。
水滞の方で「トイレが近い」という場合、
体内から「悪い水分」を外に出す能力が「まだある」ということなので、
そういう意味では「出が悪い」よりはマシですが、
対処しないと徐々に水滞が進みます。

便や尿にまつわる症状があるかたは、
水滞によりお腹が冷えている可能性がありますので、
妊活には好ましい状態でないかもしれません。

腹巻きなので腹部は保温し、
ウォーキングなど下半身の運動を心がけましょう。

1~3までは、冷えの改善のための腹部への施灸が適応しやすい時期です。

4.頭の症状
水滞が進むと、頭重、頭痛、めまい、耳鳴り、
首こり(特に後頭部のコリ)などがみられるようになります。
あたまに熱がこもり「のぼせ」もみられるようになります。
あたまに熱がこもると、他の部位(子宮、卵巣を含めた腹部や手足末梢)の冷えが
余計に目立つようになり、胃腸などの消化器系や生殖器系の働きが
鈍りやすくなります。

その他、水が滞る場所によっては、ニキビや吹き出物などの皮膚症状、
傷がジュクジュクして治りにくい、鼻水や鼻閉、
関節の痛みなどの症状がみられるようになります。

東洋医学では、「水の巡り」が悪くなることと
「気の巡り」には深い関係性があるとみています。
「気の巡り」が悪くなると、気持ちがふさぎ込んだり
落ち込んだりしやすくなったり、
不眠や抑うつ症状がみられることがあります。

このように、水滞の症状のあらわれは、「末梢部 → 中枢部」へ
進むことが多いです。
初期であれば運動や食事、睡眠などの日常生活習慣をあらためることで
改善がみられることが多いのですが、進行してしまっている場合は、
漢方や鍼灸治療などを併用しながら体質改善から始めるのが良いでしょう。

「水滞」の改善習慣

水滞を改善するには、
・体内に溜まった余分な水分の排出を促す
・体内の水の移動を促す
…ことが重要です。

①利水作用のある食物
カリウムを含んだ食品が良いでしょう。
バナナ、アボカド、ホウレンソウ、キウイなどにカリウムは豊富です。
その他、スイカは利尿作用がとても高いのでおススメです。
水滞が炎症によって起きているもの(内膜炎など)には
ショウガの抗炎症作用が良いとされています。

②運動習慣
適度な運動が体内の水の循環を促すためには必要です。
出来れば、ストレッチのような「静的な運動」ではなく、
全身を使った「動的な運動」の方が望ましいです。
「軽く汗ばむ程度」で構いませんので、
日常生活の中に運動を取り入れておきましょう。

③腹部の保温
これからの季節は、エアコンや冷たい飲み物などで
身体を冷やしてしまう場面が増えがちです。
「温める」というよりも「冷やさないこと」を心がけましょう。
水滞の方は夏場でも腹巻きなどで腹部を冷えから守りましょう。

まとめ
「水滞」は、余分な水分が局所に滞っている状態から始まります。
思い当たるところがある方は、上記を出来る範囲で日常生活に取り入れ、
少しずつ体質改善していきましょう。

こうのとり鍼灸はこのような方におススメです。
◇ 冷えが気になる
◇ 疲れが取れない
◇ 自律神経が乱れているかも?
◇ 運動不足で代謝が悪い
◇ ホルモンバランスが悪い
◇ ストレスが溜まっている
もし、当てはまるものがあれば、
こうのとり鍼灸に相談に来てくださいね。

「健康」に近づけ、一緒に妊娠しやすい身体づくりをしていきましょう。

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【こうのとり鍼灸ルーム】
開催日:毎週水・土曜日 14:00~19:00 
 受付時間(14時・15時・16時・17時・18時)*施術時間は40分程度
場所:当院4階 エステルーム
料金:不妊治療サポート(鍼灸治療、自律神経調整を含む)   7,000円(税込)
担当:船越鍼灸整骨院 船越 登紀夫
*ご予約は1回分ごとの受付になります