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妊活コラム

Ninkatsu Column

妊活中の心と体をゆるめるアロマテラピー

酒井まゆみ/不妊症看護認定看護師
酒井まゆみ/不妊症看護認定看護師

妊活中は、体だけでなく心にも多くのエネルギーが必要です。
通院や検査、結果への不安、先の見えない焦り…、
常に頭の中がいろいろなことでいっぱいになりがちです。

「次こそはうまくいくように」「ちゃんと頑張らなきゃ」と
前向きに取り組む一方で、知らないうちに心も体も疲れをためてしまう方も
多くいらっしゃいます。

そんな中、桂川レディースクリニックで行っている妊活サポートのひとつが
アロマテラピーです。

先日、卒業された方からのアンケートで、このように書いていただきました。

「気が滅入っていたときにアロマを受けて、とても心地よかったです。
いつも頭の中がいろんなことでぐるぐるしているのに、
久しぶりに“何も考えない時間”を過ごせました。
治療について不安に思っていることも話せて、心も軽くなりました。」

アロマの香りや優しいタッチには、自律神経を整え、
心身をリラックスさせる働きがあります。

“何も考えない時間”は、心のリセットボタンのようなもの。
その短い時間が、また前を向く力につながっていきます。

香りがもたらす“癒し”と“リセット”

アロマの香りを感じると、鼻から入った香りの成分が脳へと伝わり、
感情や自律神経をつかさどる「辺縁系」に働きかけます。
その結果、呼吸が自然と深くなり、緊張していた体の力がふっと抜けていきます。

妊活中の方には、ラベンダー、オレンジ・スイート、
ゼラニウムなどの香りが人気です。

ラベンダーは不安や焦りをやわらげ、
オレンジ・スイートは前向きな気持ちを引き出し、
ゼラニウムは女性ホルモンのバランスを整えるサポートにも役立ちます。

香りを感じるだけで「ほっとする」「涙が出そうになる」と
お話しされる方も少なくありません。

香りは直接、感情や記憶に関わる脳の部分に届くため、
思考を休め、心の奥をそっと癒してくれる力があります。

話すことも大切に

アロマテラピーの時間には、
トリートメントだけでなく「会話」も大切にしています。

香りに包まれながら、自然と口にされる言葉には、
普段なかなか話せない思いや不安がたくさん詰まっています。

「こんなことで落ち込んでしまって…」

「治療がうまくいかないと、どうしても自分を責めてしまう」

そんなお話をしてくださることで、
少しずつ気持ちが整理されていきます。

アロマの時間は、治療のことだけでなく「自分自身を感じる時間」でもあります。

一方で、言葉にするのが難しいときや、
まだ話すタイミングではないときもあります。

そんなときは、無理に話さず、ただ香りに包まれて静かな時間を
過ごしていただいて構いません。
言葉があっても、なくても、その時間はしっかり心に届いています。

妊活中は、結果だけでなく、
“どんなふうに過ごすか”“どんな気持ちで向き合うか”も、
とても大切なことです。

香りに包まれてリラックスするアロマテラピーの時間は、
がんばる自分をそっと休ませ、心と体をやさしく整えるひとときです。

緊張していた心と体がゆるむと、
これまで見えなかった気づきが生まれたり、
また明日へのやさしい力につながったりします。

心と体がガチガチになってしまったなと感じるときには、
アロマテラピーもぜひ活用してみてくださいね。