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妊活コラム

Ninkatsu Column

桂川レディースクリニックの「不妊鍼灸」について

船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師
船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師

桂川レディースクリニック 「こうのとり鍼灸」担当鍼灸師 船越登紀夫です。

桂川レディースクリニックでは「統合医療」の考え方を基にし、
従来の医学だけでなく相補(補完)・代替療法も取り入れ、
患者様の身体作りのため多面的な治療を行なっています。

統合医療について詳しくはこちらの記事:妊活と統合医療を合わせてお読みください。

妊活と統合医療

ということで、僕が担当する令和7年の第1回めは
ガチガチの東洋医学のお話をさせていただきます。

後半部分には身体の状態をみるためのチェックシートがありますので、
ご自身で確認してみてくださいね。

東洋医学の基本理論

東洋医学では身体や病気について特有の考え方をしています。

「陰陽論」や「五行論」、「気血水論」などがあるのですが、
キーワードだけは耳にしたことがある方もいるかもしれませんね。

今回は病気の考え方の中心となる「気血水論」をご紹介します。

まず、人の身体は先天的に父母から受け継いだ
生命エネルギー(腎精:じんせい)を基礎として、
食物や呼吸から後天的に生成される「気」、「血」、「水(津液)」の
3種類によって調節されると考えています。

「気」とは、生命活動の根源となる「目に見えないエネルギー」のことです。
西洋医学的に物質として捉えると酸素や二酸化炭素のことになりますが、
東洋医学では「気分」、「感情」などメンタルの要素も含めます。

「血」とは、西洋医学でいう血液とほぼ同じ意味ですが、
東洋医学では血液の中を流れる栄養素、老廃物、ホルモン、
熱という意味と、「循環」という働きを含めた概念として捉えています。

「水」とは、体内を流れる血液以外の液体のことをいいます。
西洋医学というリンパ液、体液だけでなく、
消化液や尿、唾液や涙なども含めます。

さまざまな身体や心の不調は、
先天的な「腎精」と後天的な「気」、「血」、「水」のバランスが崩れて起こる、
というのが東洋医学的な病気の考え方です。

「気血水論」では身体の不調を、「気虚(ききょ)」、「気滞(きたい)」、
「血虚(けっきょ)」、「瘀血(おけつ)」、「水滞(すいたい)、
または水毒(すいどく)」、「腎虚(じんきょ)」に分けています。
全てが「不妊」の原因となるため、
バランスを整えていく必要があるのです。

東洋医学的チェックシート

自分の状態に合うものがあればチェックをつけてみましょう。
チェックが数多いもの、または数が少なくても
症状が重ければその項目も重視します。

「気」、「血」、「水」の異常は単独で起こることは少なく、
またそれぞれが影響し合うので複数の異常を抱えていることがほとんどです。
まずはご自身の傾向を把握しておきましょう。

気虚    
  身体がだるい
  疲れやすい
  気力がない
  食欲がない
  下痢しやすい
  すぐ眠くなる
  風邪をひきやすい
  驚きやすい
  身体の芯から冷える
  体温が低い
気滞    
  ため息が多い
  あくびがよく出る
  熟睡できない
  寝つきが悪い
  不安感がある
  イライラする
  おなかが張りやすい
  暑くないのに汗が出る
  のぼせやすい
  月経痛が強い
血虚    
  顔色が青白い
  皮膚が乾燥しやすい
  髪がよく抜ける
  唇や手が荒れやすい
  集中力が続かない
  目が疲れやすい
  立ちくらみを起こしやすい
  こむらがえりをよく起こす
  月経不順になりやすい
  月経の量が少ない
瘀血    
  顔色が黒い
  目の下にくまができる
  血管が浮いている
  頭が重い
  動悸がしやすい
  冷えのぼせがある
  イライラする
  ガスが溜まりやすい
  便秘気味である
  月経痛が強い
水滞・水毒    
  起床時に顔がむくんでいる
  夕方になると足がむくむ
  乗り物酔いしやすい
  低気圧になると頭が重い
  めまいを起こしやすい
  胃がすっきりしない
  お腹がポチャポチャ鳴る
  水っぽい鼻水が出やすい
  下痢しやすい
  冷え症
腎虚    
  以前よりも疲れやすく感じる
  足腰が弱くなった
  腰がだるい
  下半身が冷える
  手足が冷えたりほてったりする
  夜にトイレによく行く
  腹筋が弱い
  目が悪くなった
  髪がよく抜ける、白髪が増えた
  排卵が早くなった

「気」の異常

「気」は食物や空気、環境などから得られる後天的な生命エネルギーで、
「やる気」、「元気」などや身体の活発性、
内臓の働きや代謝などを含みます。

「気」の異常には、「気虚」、「気滞」があります。

気虚

「気」の不足や消耗などによる体調の変化です。
原因は加齢、慢性的な持病、先天的虚弱、消化器系の障害、
栄養バランスの不良、過労などがあります。

症状は、身体がだるい、疲れが取れない、眠い、
気力の低下などがあり、抵抗力が弱まり子宮や卵巣の
機能低下がみられるようになります。

気滞

エネルギーである「気」のめぐりが悪くなっている状態です。
原因は精神的ストレス、環境の変化などが多いです。

症状は、自律神経バランスの崩れ(自律神経失調症)、不安感、
イライラ、神経質、のぼせ、などが多く、あくびがよく出る、
神経質、頭痛、めまい、動悸、便秘、冷え症など多岐にわたります。

「血」の異常

血液そのもの、血液に含まれている栄養素、ホルモン、
酸素などにまつわる異常がみられます。

「血」の異常には、「血虚」と「瘀血」があり、
女性では子宮、卵巣、月経に深くかかわっています。

血虚

体内の血の不足、栄養素不足、循環の悪さによる症状がみられるようになります。

原因は、循環の悪さによる臓器への栄養供給不足、血の生成不足による貧血などがあります。

症状は、顔色の悪さ、皮膚の乾燥、脱毛、あかぎれ、爪の異常、立ちくらみ、めまい、息切れ、こむらがえり、女性では月経不順、過少月経などです。

瘀血

全身またはどこか局所に血が滞っている状態です。
原因は運動不足、動脈硬化、毛細血管の減少、血行障害などがあります。

症状は静脈のうっ血、静脈瘤など目に見えるもの、
内出血を起こしやすい、冷え症、頭痛、頭重感、肩こり、
首こり、背中の痛みや腰痛、冷えのぼせ、
目の症状(目の痛み、目の奥の痛み、眼精疲労)などです。

子宮筋腫、子宮内膜症も瘀血の状態として捉えます。

腎の異常

「腎」は五臓六腑のうちでも「生殖」に関わる重要な臓器です。
父母から受け継いだエネルギーである「腎精」を溜め込み、
成長、発育、生殖、老衰といった生命現象を支配、調節しています。

西洋医学でみれば、視床下部-下垂体-副腎、
性腺というホルモン系全般として捉えられます。

不妊鍼灸では最も重視するところです。

腎虚

生殖に関わる「腎」の機能低下と、
生命エネルギーである「腎精」の不足がみられる状態です。

原因は加齢、体質、遺伝的素因が大きく、
慢性的な疲労、不摂生、不養生などが関わります。

不妊への漢方

上記のような「気血水の異常」に対して漢方薬が処方するのも有効です。

漢方については以下の記事で解説していますので、合わせてお読みください。

「漢方薬」について Vol.1

「漢方薬」について Vol.2

「漢方薬」について Vol.3

漢方薬」について Vol.4

「気血水の異常」を把握することは「不妊鍼灸の第一歩め」になります。

身体の状態は個人個人で違うため、
その人に合わせた治療法、養生法が必要になります。

「こうのとり鍼灸ルーム」では、おひとりおひとりの状態をみて、
よりベターな状態になっていただくため
テーラーメイドな鍼灸治療を行なっております。

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桂川レディースクリニック併設 こうのとり鍼灸はこのような方におススメです。

◇ 冷えが気になる
◇ 疲れが取れない
◇ 自律神経が乱れているかも?
◇ 運動不足で代謝が悪い
◇ ホルモンバランスが悪い
◇ ストレスが溜まっている

もし、当てはまるものがあれば、こうのとり鍼灸に相談に来てくださいね。
「健康」に近づけ、一緒に妊娠しやすい身体づくりをしていきましょう。

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【こうのとり鍼灸ルーム】

開催日:毎週水・土曜日 14:00~19:00 
受付時間(14時・15時・16時・17時・18時)*施術時間は40分程度
場所:当院4階 エステルーム
料金:不妊治療サポート(鍼灸治療、自律神経調整を含む)   7,000円(税込)
担当:船越鍼灸整骨院 船越 登紀夫 
*ご予約は1回分ごとの受付になります

◇   船越鍼灸整骨院 → https://funa-in.com/