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Ninkatsu Column

移植胚の選択方法!

矢田 恵/胚培養士
矢田 恵/胚培養士

こんにちは!培養部です。

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
8月は日差しも強く暑さが厳しくなっているので、
体調を崩さないようにしてくださいね💦

前回は、『胚盤胞のグレードの見方! | 桂川レディースクリニック (katsuragawa-lc.com)』でグレード付けすることで
胚移植に用いる胚の順番を決定できるとお話ししました。

今回は、移植胚の選択方法についてお話していきます。

当院では医師と培養士により、移植胚の選択を行っています。

胚盤胞移植の選択基準は、

①胚のグレード

②胚の培養日数

以上の項目を考慮して、
凍結胚の中から、一番妊娠率が高い胚を選択しています。

それでは1つずつ説明していきますね。

始めに、①胚のグレードについてです。

まず、胚盤胞の中でも良好胚と不良胚に分けられます。


良好胚とは、「胎児になる細胞」と「胎盤になる細胞」が
AもしくはB評価の胚です。

グレードではAA、AB、BA、BBの胚です。

不良胚とは、「胎児になる細胞」と「胎盤になる細胞」に
C評価がある胚です。

グレードではAC、BC、CA、CB、CCの胚です。

グレードが良い方が妊娠率も高くなるので、
良好胚>不良胚 となります。
なので、良好胚の中でもA評価の胚盤胞が良いというのは分かると思います。

しかし、ABとBAはどちらが移植胚の優先順位が高くなるのでしょうか?

これは、「胎児になる細胞」のグレードよりも、
「胎盤になる細胞」であるグレードの方が着床、
妊娠に影響すると発表されています。

つまり、良好胚の中でもAA>BA>AB>BBという順に妊娠率が高くなります。

続いて、②胚の培養日数についてです。

通常、胚は5~6日間かけて胚盤胞に成長します。

胚盤胞に到達する成長スピード、
つまり何日目に胚盤胞に成長したかによっても妊娠率に影響します。
なので、凍結胚の中にAAが複数あった場合、
成長スピードが速い5日目>6日目という順に妊娠率が高くなります。

以上のように、①胚のグレードと②胚の培養日数を考慮して、
移植胚を選択しています!!

しかし、良好胚だからといって絶対妊娠するわけではなく、
染色体数が異常の場合、
着床しなかったり、流産してしまったりします。

染色体数が正常かどうかは、グレードや見た目で判断できないのです。

これらはPGT-Aという方法で検査を行っています。

また、3回目の移植で妊娠した例や、
C評価の胚を移植して妊娠した例もあります。

これらのグレードはあくまで見た目の評価になっています。

移植胚のご希望やご質問などがあれば、お声掛け下さい。

それでは次回もお楽しみに~☺ !