妊活コラム
Ninkatsu Column
胚盤胞のグレードの見方!
こんにちは、培養部です。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
最近はとても気温が高くなっているので、
体調管理に気をつけたいですね!
さて、少し前ですが胚の分割から胚盤胞になるまでについて【分割胚はそのあとどうなる?】をお話しましたので、
今回は胚盤胞のグレードについてお話していきます。
以前は
胚盤胞には『胚盤胞腔』と呼ばれるすき間ができ、
成長するに連れ胚盤胞腔が大きくなっていきます。
当院ではそれの広がり具合でG1~6のスコアをつけています。
とお話しました。
実は胚盤胞の評価は『胚盤胞腔』の拡がりだけではありません。
それは『将来胎児になる細胞』と『将来胎盤になる細胞』の評価です。
それでは説明していきますね。
こちらはガードナー分類法という胚盤胞評価の画像になります。
胚盤胞は『将来胎児になる細胞』と『将来胎盤になる細胞』で構成され、
それらの細胞数が多いか少ないかで評価していきます。
A、B、Cの三段階でそれぞれの細胞を評価し、
Aが最もグレードが高くなっています。
細胞数が多いほど良好な胚盤胞とされ、
すなわちグレードの高い胚となります。
逆に細胞数が少ないと不良な胚盤胞とされ、
グレードの低い胚となります。
AもしくはBの評価が付く胚盤胞は良好胚の位置付けとなっていますが、
Cが付く場合は不良胚となってしまいます。
例えば、グレードがG4ABであった場合
G4なので成長段階は拡張胚盤胞となります。
(成長段階についてはこちらをご覧ください)
そして、先に出てくるアルファベットが『将来胎児になる細胞』を表していて
後に出てくるのが『将来胎盤になる細胞』を表しているので、
『将来胎児になる細胞』はA評価、『将来胎盤になる細胞』はB評価となります。
すなわち、この胚は拡張胚盤胞の良好胚ということになります。
もう少し視覚的に分かりやすくする為に、
G4AAとG4CCを画像で観ていただきましょう。
先ほどのガードナー分類法を観ながら観ていただいたら良く分かるかと思います!
将来胎児になる細胞を比較すると、
A評価は丸く塊のような部分(赤矢印)が十分に確認できますが、
C評価は細胞がかなり少なく、どこにあるのか分かりません。
将来胎盤になる細胞を比較すると、
A評価の方が細胞の大きさが均一で密に接着していることがわかりますが、
C評価は細胞の凹凸が見られません。
このように、形態学的にグレードを付けています!
ここで、『胚盤胞にグレード付けることで何がいいのか?』と
疑問に思う方もいらっしゃると思います。
答えを申しますと、
『胚盤胞をグレード付けすることで胚移植に用いる胚の順番を決定できる』です!
妊娠率はグレードの高い胚の方が高くなっています。
その為、胚移植では複数凍結できた場合は、
グレードの高い胚から使用していきますので、
予めグレードがあった方がどの胚から胚移植していくのか判断することが出来ます。
Cの低グレードの胚はどうなるのかというと、
当院では基本的にはC評価の胚は凍結対象としておりません。
ただし、なかなか胚盤胞になりづらい患者様やそもそも採れる卵子数が少ない患者様などの事情があれば、C胚の凍結をする場合があります。
胚盤胞のグレードについてお話しましたが、いかがでしたか??
グレードは少し複雑なので、
ご質問ありましたらお気軽にお声掛けください!!
ということで今回はここまで!
次回は胚凍結についてお話しますのでお楽しみに〜!!🖐