1. トップページ
  2. 妊活コラム
  3. 不妊治療の選択~フローラ検査~
スタッフの写真

妊活コラム

Ninkatsu Column

不妊治療の選択~フローラ検査~

景山 郁/培養部
景山 郁/培養部

こんにちは、培養室です!
6月も後半になってきて、暑い日が続きますね…
熱中症にもなりやすい時期なので水分・塩分補給を忘れずに、
無理せずお過ごしください!

今回の妊活コラムは当院で使用できる先進医療の一つ
「フローラ検査」についてお話します。

人間の身体の中、例えば腸内や口腔内には
多種多様な細菌が存在しています。

昔、子宮内は無菌であると考えられてきましたが

医療の発達によって2015年ごろに子宮内にも
細菌が存在することが明らかとなりました。

そしてその菌は1種類ではなく多種類かつ多数存在しており
その様子が花畑のように見えることから
フローラ(flora)と呼ばれるようになりました。

その子宮内フローラの中には大きく分けて2種類の菌類が存在します。

妊娠に良い働きをする善玉菌(ラクトバチルス・乳酸菌の一種)と
妊娠に悪い働きをする悪玉菌(ガードネレラなど)です。

善玉菌であるラクトバチルスの占有率が高い子宮の場合、
子宮内は良い状態となり妊娠に適した環境となります。

しかし、そのバランスが崩れ、
ガードネレラをはじめとする悪玉菌が子宮内に増殖すると
細菌性膣症や慢性子宮内膜炎となり、
妊娠しにくい環境となってしまいます。

この子宮内に存在する善玉菌、
悪玉菌の種類と割合をみる検査が「フローラ検査」です。

子宮内フローラの90%以上を善玉菌が占める正常群と
それ未満の異常群で分け
妊娠や出産について影響を調べた海外の論文があります。

それによると正常群は妊娠率約70%、
生児獲得率約59%だったのに対して
異常群は妊娠率約33%、生児獲得率約7%であり、
子宮内フローラにおける善玉菌の重要性が示唆されています。

フローラ検査を行うには子宮の内膜を専用の器具で一部吸い取って採取し、
その細胞を検査会社へ送ることが必要になります。

月経中と前後3日は子宮内膜の状態が検査に向かないため、
それ以外の期間で検査を行います。

吸い取る際に痛みを伴うことがあり、
当院では採卵や子宮鏡手術など、
麻酔を使用する処置と同時に行うことが多いです。

フローラ検査で悪玉菌が多いと判断された場合
ラクトバチルスが配合された膣剤を用いた治療が始まります。
当院では3周期(約3か月)の使用をお勧めしています。

つまり、悪玉菌が多いと判断された場合、
検査周期を含む最低4周期は移植不可となり
移植や妊娠を急ぐカップルにとってはデメリットとなることがあります。

フローラ検査は良好胚を戻しても
なかなか妊娠成立されない患者様におすすめしています。

しかし希望があればどの患者様でも検査可能です。

話だけでも聞いてみたい、
検査について興味がある患者様は
是非、医師・スタッフにお尋ねください。

今回の妊活コラムはここまで。

次回もお楽しみに!