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《精液検査 ~計測の方法について②》

小田 沙希恵/臨床検査技師 生殖補助医療胚培養士 認定臨床エンブリオロジスト
小田 沙希恵/臨床検査技師 生殖補助医療胚培養士 認定臨床エンブリオロジスト

こんにちは、培養部です。

さわやかな秋晴れが続き、日暮れが早くなったりと、
ますます秋🍁を感じるようになりましたね。
みなさまいかがお過ごしでしょうか?

先日、私は桂川のスタッフも毎年受ける健康診断を受けに行ってきましたが、
ついつい毎年体重が気になってしまうのは私だけでしょうか😅?

健康に気を付けて過ごしていきたいと思います!

では、前回の続きですが計測の方法についてお話していきたいと思います。

運動精子は前進運動精子(速度に関係なく非常に元気に動いている精子)と
非前進運動精子(前進せずぐるぐる円を描くように回ったり、
その場でぴくぴくと動いているような精子)を両方カウントしていきます。

不動精子(非運動精子)は動いていない精子です。

これらをカウントすることで精子濃度、運動率、直進率を計算していきます。

(例)マクラーチャンバーの10マスに運動精子(前進運動精子15個+非前進運動精子15個)が平均30個いて、不動精子が平均30個いたとすると・・・

(マクラーチャンバーの計算の方法は前回の計測の方法➀でご確認ください。)

精子濃度(運動精子+不動精子):30+30なので 60×106/mlとなります。

運動率(運動精子/精子濃度 ×100):30/60×100なので50%となります。

直進率(前進運動精子/運動精子×100):15/30×100なので50%となります。

このように精子の計測をしていくのですが、基準値として当院では独自の基準値を設定しています。

以下にWHOの精子ラボマニュアルの基準値(2021年 第6版)と当院の基準値を示します。

  WHO下限基準値 当院基準値
精液量 1.4ml 2.0ml
精子濃度 1600万/ml 7500万/ml
運動率 42% 50%
前進運動率 30% 60%
正常形態率 4% 30%

WHOの基準値とは・・・過去1年以内にパートナーが妊娠した約1900名の精液検査をもとに、精液所見の低い下から5%を下限値として基準値が作成されています。

WHOの基準値≠妊娠できる基準値ではありません。
ですので当院は独自の基準値を設定しています。

今回で精液検査についてのお話は一旦終わりになります。

次回からは精子調製についてお話していきたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました!

また次回をお楽しみに~☆