院長の不妊治療ブログ第17回 女性の肥満と不妊の関係2 流産に関する肥満の影響!
スタッフブログ
皆さん、こんにちは
桂川 レディース クリニック院長
生殖医療専門医の 桂川 浩 です。
肥満症に関しては世界中で増えている傾向があります。
特にオーストラリアでは、
1995年に肥満症の割合が5%、
2015年には60%と急激に上昇していることから、
「女性の肥満と不妊症」についての興味ある論文が報告されました。
その中で、「肥満が不妊症に対してどのような悪影響を及ぼすか」についての
詳細な記述があり、その内容を簡単に説明しますね。
肥満によって妊孕能(妊娠する能力)が低下し、
不妊症の可能性が高まる。
その原因として、
- 間脳ー下垂体ー卵巣系の機能異常
- 卵子の質の低下
- 子宮内膜の受精卵受容能の低下
が考えられ、特にBMIの値が高いほど妊娠率が低下するそうです。
今回は第2弾として「流産に関する肥満の影響」
についてお話します。
第1弾「肥満は妊活の大敵!」の記事はこちらからご覧いただけます。
https://ameblo.jp/katsuragawa-lc3/entry-12442927049.html
不妊治療の有無にかかわらず、肥満は流産率が上昇します。
肥満は流産の独立したリスク因子なのです。
16,000人のデータより、
BMIが25を超えると流産率が1.67倍高くなります。
肥満の方が不妊治療で妊娠するためには、
5.11倍の頻度で排卵誘発剤を使用しなければなりません。
また反復流産の頻度は、4.68倍高くなります。
イギリスNICE(国立医療技術評価機構)は、
妊娠率を向上させるためにはBMI<29は必須と述べています。
いずれにしろ、肥満傾向のある方は体重コントロールが必要です。
桂川レディースクリニックでは、
管理栄養士による「からだに優しいダイエットの栄養指導」を行なっており、
患者様に喜ばれています。