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不妊治療のための重要な検査

桂川レディースクリニックでは、検査結果のみで治療法をパターン化することはありません。検査結果とご夫婦それぞれの年齢やどれくらいの頻度で通院できるかなど患者さんの固有の状況やご希望を伺い、それらを総合的に見て、日本生殖医学会認定の生殖医療専門医がアドバイスします。そのための大切な検査として以下のようなものがあります。

ホルモン検査(血液検査)
妊娠には、さまざまなホルモンが関わっています。特に、脳から卵巣へ指令を与えているホルモン(黄体化ホルモン、卵胞刺激ホルモン、卵胞ホルモン)の分泌量などを調べることで、子宮・卵巣の機能不全や排卵障害などがわかります。必要時には最適な治療を進めることができます。
ホルモンの値は、月経周期と共に変化していきます。その基礎になるのが、月経3日目頃です。それにあわせて採血検査をします。

黄体ホルモン検査は、全ての方に行うわけではありません。無排卵が疑われたり、基礎体温の高温期が持続しないときなどに検査をします。検査の時期は、黄体ホルモンの分泌がピークに達する排卵1週間後に採血します。

AMH
Anti-Mullerian hormone: AMH 抗ミュラー管ホルモンは、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。血液中のAMH値が原始卵胞から発育する前胞状卵胞数を反映すると考えられています。その値は、卵巣内にどれぐらい卵の数が残っているかつまり卵巣の予備能がどれほどかを反映すると考えられています。
その為、AMHは卵巣予備能の目安となる評価指標で、不妊症治療領域では近年話題になり注目されています。※卵巣予備能とは、卵巣の中に残っている卵子の目安のことです。
保険適用外のため費用が高いことがデメリットになりますが、1回の検査で良いこと、今後の治療方針の判断材料になるメリットを考えると受けられることをおススメします。
桂川レディースクリニックの費用は¥7,700(税込)です。

ただしAMHに関する留意事項として

  • AMHは卵子の質とは関連しない
  • AMHの測定値は、個人差が大きく、若年女性でも低い場合や高齢女性でも高い場合があり、測定値からいわゆる「卵巣年齢」の推定はできない
  • 測定値と妊娠する可能性とは直接的な関連はなく、測定値から「妊娠できる可能性」を判定するのは不適切

甲状腺検査
甲状腺は、さまざまな役割を行っています。不妊の原因と関係する甲状腺の病気を見つける甲状腺ホルモンなどは、1回の採血で行えます。
甲状腺ホルモンは卵胞の成長にも必要なホルモンで、十分な甲状腺ホルモンがないと卵胞は成長せず排卵が起こりません。甲状腺機能が亢進すると排卵までの期間が短くなりやすく、甲状腺機能が低下するとなかなか卵胞が成長せずに無排卵、無月経が生じやすくなります。

超音波検査
不妊検査において、腟内の超音波検査はなくてはならない検査法です。
子宮筋腫の有無や場所・大きさ、子宮内膜の厚さ、子宮内膜症の有無卵巣嚢腫、 チョコレート嚢腫、子宮腺筋症など、さまざまなことがわかる大切な検査です。また、卵胞の大きさを観察することにより、排卵日をほぼ正確に予想することが可能な検査です。
ほとんど痛みがありませんが、できるだけ力を抜いて受ける方が楽です。
桂川レディースクリニックでは、モニターに移し出された画像をリアルタイムで見ながら安心して検査を受けることができます。

子宮卵管造影法
月経終了後から排卵日までのあいだに行う検査です。
子宮に造影剤を注入し、X線透視・写真で次の様なことがわかります。

  1. 卵管の通過性
  2. 卵管周囲の癒着の可能性
  3. 子宮腔の形態

癒着の有無の確定診断にはならないことや卵管が通っていても、卵巣から排卵された卵子が卵管に取り込まれているかどうかは分かりません。(卵子の捕捉がうまくいっているかどうか確かめられる検査はありません)
しかし、卵管が詰まっていると、精子と卵子は永遠に出会えずに妊娠できません。今後の時間や治療の無駄にならないように、できるだけ早い時期に検査して確認しておく大切な検査です。

桂川レディースクリニックの卵管造影検査

  • 受付から会計まで約1時間。所要時間は5~6分で、当日に検査結果も聞いて帰れます。
  • 診察時間内の予約制なので、お仕事されている方でも気軽に受けることができます。
  • 「ヒスキャス」という子宮卵管造影用の極細でやわらかいチューブを使用しています。
  • 院長は「麻酔科の専門医」なので、痛いことはしたくないという優しさがあります。
  • スタッフがそばにいるので安心。

子宮卵管造影はSNSなどで「痛い」ことばかりが載せられることが多いのですが、桂川レディースクリニックでは、「想像していたほど痛くなかった」という声をよく患者さまからいただきます。
子宮卵管造影は不妊原因の特定にとても重要な検査ですし、検査後に自然妊娠される方も珍しくありません。

フーナー検査
排卵期に通常の性交を行い、その翌日に子宮の入り口にあたる子宮頚部から粘液を採取する検査です。
フーナー検査の結果でわかること

  • 子宮頚管粘液が粘液状からサラサラの卵の白身のような状態になるか
  • 頚管粘液の中での射精された精子の数や運動率など

ただし・・・
実はこの検査の結果は、少々曖昧なところがあるために外国ではあまり重視されていません。カップルとも問題がなくても結果が悪く出ることがあるのです。また、フーナーテストのためにタイミングをとらなければならないとストレスが大きくなるご夫婦もいらっしゃいます。
日本では、不妊検査が発展する以前より行なわれており、全く信用のおけない検査という訳ではないので、評価の難しいところです。このような理由から、桂川レディスクリニックでは、全ての方を検査対象とはしていません。
精液検査ができない場合や、精子と卵子に問題がないけれど妊娠に至らない場合、ご夫婦の背景を考えて必要と判断したときに行っています。

クラミジア検査
クラミジア感染の有無を調べる検査です。クラミジアは、性行為感染症(STD)の1種で、基本的には性行為を介しておきる場合がほとんどです。まず子宮頚管炎をおこし子宮内膜炎さらに卵管炎、骨盤腹膜炎をおこすことがあります。この間症状はほとんどなく経過し、弱い菌であるため無症状のまま治癒していきますが、そのあとに不妊症が残されてしまいます。卵管の閉塞、卵管采という卵子をピックアップする部位の手を広げたような形が萎縮し丸まってしまいます。その結果、卵のピックアップ障害がおきます。また腹膜炎の後には薄い薄い膜状の広範な癒着がおきて、卵巣から卵管への卵の移行を難しくする一因にもなります。

子宮頸管の細胞クラミジアの病原体(DNA)そのものの存在の有無を調べるPCR検査と、血液検査でクラミジアの抗体があるかどうか(過去にクラミジアに感染したことがあるかどうかをみる)を検査する方法があります。
クラミジアは、性行為感染症なので、ご夫婦で抗生剤を内服することで治療します。

その他血液検査
より安全に治療を進めるために、感染症のスクリーニング検査を1年に1回おこないます。B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVと血液型(ABO型、Rh)になります。1年以内に健康診断や他院で検査された方は結果(コピーでも可)をご持参ください。

精液検査(男性の検査)
男性の不妊治療に欠かせない検査の1つで、1回の射精で得られる精液や精子の状態を調べます。具体的には、「精液量」「精子濃度」「精子運動率」「正常形態率」などです。
精液は、禁欲期間を2~3日として検査することになっていますが、毎日射精した場合でも問題ありません。桂川レディースクリニックでは、トレーニングされた胚培養士が検査を行っているので、信頼できる値がでます。

WHO(2010年)の精液検査の基準値

  1. 精液量   1.5ml以上
  2. 精子濃度  1500万/ml以上
  3. 運動率   40%以上
  4. 総精子数  3900万以上
  5. 正常形態率 4%以上

精液検査は、1回の検査だけでは、患者さんの精子の精緻な質まではつかめません。検査当日の本人の体調によっても数値は大きく変わります。WHOの基準値は、治療を行う上での目安として捉えてもらうのが最適だと思います。

桂川レディースクリニックでは、診察時間内の予約制になっていますので、男性のご都合良い日時で検査することができます。精液は、自宅で採取してから持参していただいても良いですし、クリニックの採精室を利用していただいても大丈夫です。