1. トップページ
  2. 妊活コラム
  3. 東洋医学的な「不妊」の例
スタッフの写真

妊活コラム

Ninkatsu Column

東洋医学的な「不妊」の例

船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師
船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師

こうのとり鍼灸担当 鍼灸師  船越 登紀夫 です。

東洋医学における病気の考え方はちょっと独特です。

東洋医学の考え方には、
西洋医学でいうところの「診断名」というものがありません。

様々な症状が出ている身体の状態を「証」という捉え方をして、
その「証」に対して治療を行っていくのです。

例えば「下痢」を西洋医学的に診た時、
「何らかの原因で腸壁細胞が炎症を起こして下痢を起こしている」のであれば
「急性腸炎」という診断名がつき、
炎症を抑えるお薬が出たり、腸内細菌の状態を整えるためのお薬が出ます。

東洋医学では、上記のように腸壁細胞が炎症を起こしている下痢を
「お腹に熱が発生した状態」と捉えます。

「熱」が発生して症状が出ている状態を「実証」と呼び、
逆に冷たいものの食べ過ぎで冷えて(身体に冷えが入り過ぎた状態を「寒:かん」と言います)
下痢を起こした場合は「虚証」と呼びます。

「実証」の場合の下痢であれば局所に溜まった熱を取るための治療を施し、
「虚証」の下痢であれば温めて熱を補います。
同じ「下痢」という症状でも「証」によって治療の組み立てが変わるんですね。

ですから「不妊」という状態も、
患者さんの身体に表れている状態を診て「証」を立てます。

例えば「月経不順」をみる時も、「のぼせ」や「イライラ」があり、
内分泌系の中枢である「視床下部」や「下垂体」の働きが鈍って
ホルモンが不足しているのであれば「頭部の実証」と考えますし、
ホルモンの分泌は正常だけどそれを受け取る卵巣の働きが鈍っているのであれば
「腹部の虚証」と考えます。
(※頭部の実証と腹部の虚証が混在している方もいます)
そして身体の「虚実」のバランスを整えるように治療を組み立てるのです。

自律神経のバランスが崩れている方でもいくつかのパターンがあって、
ストレスが強く、長く続き過ぎてメンタルが弱って
頭部が「虚証」になっている場合もありますし、
ストレスでイライラし過ぎて頭部が「実証」になっている場合もあります。
(※ストレスから頭に血が上り過ぎて「頭部の実証」となり、
そのために腹部への血行が悪くなって冷えている「腹部の虚証」のパターンが、
原因のはっきりしない不妊の方に多いように思います)

このように「証」は一人ひとりに違いがあります。
ですから「こうのとり鍼灸ではどんな治療を受けられるんですか?」と
よく聞かれるのですが、「その人それぞれに合わせて…」としか言えないんです。(スミマセン…。)

東洋医学の鍼灸治療の目的は「バランスを整えること」がメインです。
先天的な要素や、これまでの生活習慣によって崩れてしまったバランスを
良い状態に向かうように治療を組み立てます。
ですから人によっては時間がかかる場合もあります。
(そこが東洋医学の弱点とも言えます)

不妊治療中の方には、
クリニックでの投薬など西洋医学のスピーディなアプローチをメインにし、
鍼灸治療など東洋医学の全体的改善を目指すアプローチを
補完的に受けていただくのが良いのではと思います。

☆「こうのとり鍼灸」は、毎週水曜日、土曜日の14:00〜19:00(最終受付18:00)
 となっております。(施術時間約40分)
 通常の診察予約と同様に、クリニック予約システムよりご予約いただけます。
 現在、施術予約が立て込んでおり当面の間、
 対象は「当院で継続治療中の方のみ」とさせていただいております。