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Ninkatsu Column

《精液検査 ~計測の方法について➀~》

小田 沙希恵/臨床検査技師 生殖補助医療胚培養士 認定臨床エンブリオロジスト
小田 沙希恵/臨床検査技師 生殖補助医療胚培養士 認定臨床エンブリオロジスト

こんにちは、培養部です。

日中はまだまだ暑い日🥵が続いていますが、
雨の日も多くなり少しずつ秋🍁を感じるようになりましたね。
秋と言えば食欲の秋なので(たぶん私だけ)、
毎日ご飯🍚がおいしいです!!

では前回に引き続き、今回も精液検査についてお話していきたいと思います。

前回は液化・精液の様子についてお話ししましたが、
今回は計測の方法についてです。

【計測の手順】

➀液化を確認後、マクラーチャンバーに精液をのせる。

②運動精子数、非運動精子数、直進率、奇形率、白血球数を計測する。

③液量を計測する。

これが大まかな手順になります。
ここで普段聞きなれないマクラーチャンバーって何なに😕?って
思われると思います。

これがそのマクラーチャンバーというものです。

顕微鏡🔬で見てみると

マクラーチャンバーとは・・・

液化した精液をチャンバー中央にたらし、
カバーグラスをかけて200倍で検鏡します。

10区画(1列)の精子数を106した数が1ml中の精子濃度となります。

例えば、10マス数えて精子が30いたとすると、
精子濃度は30×106/mlとなります。

マス目により数に偏りがあれば、数列数えて平均をだしたり、
数が少なければ、100マス全て計測したり、
マス外も計測することもあります。

ちなみにこれでカウントをしています。

私は初めてこれを見た時、
野鳥🦅の観察してる人みたいだなぁと思ったことを覚えています。

普段計測している顕微鏡は実体顕微鏡ですので、
動画を撮影📹している顕微鏡とは見え方がちょっと異なります。

精液検査で使用する実体顕微鏡

では、実際動いている精子を見てみましょう。

これは調整する前の原精液の状態です。

ところどころ動いていない精子があると思います。

これを洗浄するとこのように変化します。

止まっている精子が少なくなって、その分運動精子が多くなり、
運動精子もまっすぐ動いている精子が多くなったのが
お分かりいただけたと思います。

多くの場合、洗浄後の結果が原精液の所見よりも良好になることが多いですが、
それでも精液の量や、精子の状態により必ずしも洗浄後の運動精子数が増えたり、
結果が良くなるわけではありません。
AIHの精液所見の結果説明を培養士が行っていますので、
ご質問等ありましたらご遠慮なく仰ってくださいね☺️

長くなりましたので、今回はこれで終了です。
次回もう少し精液検査についてお話させて頂こうと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました🌟 また次回をお楽しみに~👋