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妊活コラム

Ninkatsu Column

よくある質問 「検査の結果は悪いところがないのに、ステップアップを勧められるのはなぜ?」

上田 聡代/不妊症看護認定看護師
上田 聡代/不妊症看護認定看護師

これがメインとなるわけではないのですが、
看護相談やお話しの中でよくある質問です。
これまでのコラムの中でもお伝えしていますが、
今回はもう少し具体的に詳しく説明させていただきます。

不妊治療の一般的な検査には、『代表的』なものとして
『血液検査・卵管造影検査・
超音波検査(子宮内膜症などの病気・卵子発育・排卵・子宮内膜の厚さなど)
・精液検査』などがあります。

その中で、『卵管造影検査』を例にとってみます。
SNSなどで「痛い」と書かれることが多い卵管造影検査。
ドキドキしながら受けた後に「異常がない」と言われたら、
ホッとした方も多いのではないかと思います。
では…その「異常がない」って、どういうことでしょうか?

卵管造影検査でわかることは、たくさんあります。

左右に卵管が通っており、子宮の形が正常であるかどうかが診断ができます。
子宮の形が異常だと流産しやすい、妊娠しにくいことがわかるし、
卵管が詰まっていると精子と卵子が出会うことができないので
妊娠することはできません。
ただ、卵管は通っているだけでオッケーではありません。
卵管の働きは『精子を通す、受精する、分裂を繰り返す受精単を子宮に運ぶ』と、
重要な機能も担っています。

ところが、残念ながら卵管造影検査では「卵管の機能」はわかりません。
つまり、受精できる場所なのか、成長する受精卵を子宮に運ぶことができるのか
などは、わからないのです。

ただ、「卵管が詰まっていないから、きっと機能も大丈夫であろう」と考えて、
身体的・精神的・経済的にやさしい治療から開始していくのです。

卵管造影検査で異常がみつからなかったとしても、
卵管機能に問題があるかもしれない。
だから、正しく言えば、「卵管造影検査をして問題なかった」ではなく、
「卵管造影検査で異常はみつからなかった」なのです。
微妙な違い、おわかりでしょうか?

男性の検査で「精液検査」でも同じことが言えます。
通常の精液検査は、顕微鏡のもと、
「精子の数・運動率・正常精子数率」などがわかります。
しかし、残念ながら「受精能力(受精する力)」があるかどうかはわかりません。
ただ、精液検査が正常なら、受精能力もあるだろうと考えて治療が開始されます。

まとめると、不妊検査をして半年以上(年齢により異なります)も
妊娠に至らないのは、「原因がない」ではなく
「原因があるけどわからない状態」と考えた方が良いのです。

こうして書くと、「なんのための検査?」
と疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。
ただ、検査は無意味ではありません。
例えば、卵管造影検査の後は半年ほど妊娠しやすくなると言われているので、
治療とも考えることができます。

また、不妊治療をするときには、
おひとりおひとりの検査結果を踏まえて
どのような薬が1番副作用が少なくて効果があるか、
どのような治療が効果的かなどを考える大切な指標となります。
少なくとも、桂川レディースクリニック、桂川院長は、
検査結果を無駄にすることなく常に細かいことを考えて治療されています(^^♪

今日は、「検査の結果は悪いところがないのに、
ステップアップを勧められるのはなぜ?」について説明してきました。
ご理解いただけましたでしょうか?
もっと詳しく知りたい!と思われる方は、
遠慮なくオンライン看護相談をご利用ください(^^)/