妊活コラム
Ninkatsu Column
タイムラプスインキュベーターってなんだろう?
こんにちは!培養部です。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
さて今回は、前回に書かせていただいた通り、
『タイムラプスインキュベーターについて』をお話したいと思います。
まずインキュベーターって・・?という方もいると思います。
インキュベーターとは、体外に取り出した卵子や受精卵を培養する為の
培養庫のことで、温度や酸素濃度、二酸化炭素濃度を母体内と同じ環境にし、
体外でも発育しやすい環境を整えています。
そのインキュベーターに撮影機能が備わったものを
タイムラプスインキュベーターと言います。
通常のインキュベーター
タイムラプスインキュベーター
写真のようにインキュベーターには色んなインキュベーターがありますが、
従来のインキュベーターよりタイムラプスインキュベーターで培養する方が、
受精卵は過ごしやすくなります!!!
なぜかというと?
従来のインキュベーターで培養すると、受精確認や凍結確認のタイミングに
培養中の受精卵をインキュベーターから取り出し、
顕微鏡下にて観察をしていました。
しかし、タイムラプスインキュベーターであれば
15分間隔で受精卵を撮影し記録するので、
受精後から凍結するまで取り出すことなく、
モニター上で連続した画像を動画のように観察することができます。
温度や空気相を一定の環境のまま観察できるので、
受精卵へのダメージを少なく培養することができます。
他にも、
前回の『受精確認について』でも少し触れた内容ですが、
受精確認の場合、どのタイミングで前核が形成されても
正確に観察することができたり、
培養中の異常所見などが分かることにより、
より良い受精卵を選んで胚移植することができます。
このように、タイムラプスインキュベーターは、
受精卵にとって、とっても良いインキュベーターなのです。
培養士にとっても、いつでも受精卵や胚の観察が出来るので、
正確な情報を患者様に伝えることが出来るようになりました。
当院では採卵後の全ての患者様にタイムラプスインキュベーターで
培養させていただいています。
また、先進医療の実施施設として認められている為、
保険診療と併用して行うことができます。
今回は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました!
次回はタイムラプスインキュベーターで観察できる異常所見について
お話しようと思います
次回もお楽しみに~