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妊活コラム

Ninkatsu Column

不妊治療の選択~先進医療 ZyMot~

景山 郁/培養部
景山 郁/培養部

こんにちは、培養室です!
2月ももうすぐ終わり、
日中が少しずつ過ごしやすい気温になってきましたね。
それでもまだまだ寒い日が続きます。
暖かくしてお過ごしくださいね。

今回の妊活コラムでは
先進医療のZyMotについてお話していきます。

ZyMotとは採卵における精子調整の1つであり、
先進医療名としては「膜構造を用いた生理学的精子選択術」です。

当院で実施している精子調整は
密度勾配遠心法+swim up法を用いています。

それぞれの方法については、
過去の妊活コラムでご紹介していますので、
以下のリンク先からよろしければ合わせてご確認ください。

密度勾配遠心法について

精子調整 ~人工授精(AIH➀》 | 桂川レディースクリニック

swim up法について

≪精子調整 ~体外受精・顕微授精➀≫ | 桂川レディースクリニック

密度勾配遠心法とswim up法は、
他院でも採用され広く実施されています。
それほど標準的な方法で、信頼できる方法になります。

ただ、この方法の手技の中で、
精子に対して侵襲的な影響を与える遠心分離を行う必要があります。

遠心分離による精子へのダメージについては、
いくつかの報告がありますが、
一定の見解が得られていないのが現状です。

しかし、何度か採卵しても培養成績が低く、
胚盤胞が凍結または移植できない。

このような方の場合、よりダメージが少ない方法で精子を回収することで、
培養成績が改善することがあります。

その方法の1つが、「ZyMot」になります。

精子を回収するための特殊なデバイスを用いて、
遠心分離を行わずに、質の良い精子を選別し回収することができます。

ZyMotのデバイスは上図の様な構造になっています。

デバイスの中央に精子を選別するための膜(上図の赤点線)が張られています。

この膜が非常に重要な役割を果たしています。

上図の①の部分から精液をデバイスに流し込み、
膜より下の部分を精液で満たします。

膜の上の部分に膜を通過して上がってくる精子を
回収するための培養液を重ねて入れておきます。

この状態で10分~30分ほど静置しておきます。

すると運動性の高い精子が膜を通過し、膜より上の培養液に移動してきます。

最後に膜より上に集まった運動性の高い精子を培養液と一緒に適量回収します。

精子へのダメージについては、
DNA断片化率というのを指標として用いることがあります。

このDNA断片化率が低いほど質の良い精子ということになります。

実際にZyMotを使用して回収した精子の方が、
DNA断片化率が低くなった。

また、回収精子を使用することで、
胚盤胞到達率の上昇や染色体異常率が低下したという報告もあります。

当院の方針としては、
顕微授精を行った結果、
正常受精率や胚盤胞到達率があまり良くなかった方に対して
ZyMotの使用を提案しております。

ZyMotについて気になる方やもっと詳しく知りたい方は、
ぜひ診察室にてお気軽にお申し付けください!

今回の妊活コラムはここまでになります。

次回も引き続き高度生殖医療で利用可能な先進医療について
ご紹介していきたいと思います。

それでは次回もお楽しみに!