妊活コラム
Ninkatsu Column
分割胚はそのあとどうなる?
こんにちは、培養部です。
みなさん、お花見されましたか??
当院からは琵琶湖沿いに咲いている桜を観ることができます!
琵琶湖と桜の眺めはとても美しい光景です。
是非一度ご覧になってはいかがでしょうか?
さて、前回は受精後から胚の分割、
その観察について【分割胚には”グレード”がある!?】をお話しましたので、
今回は胚の分割から胚盤胞になるまでについてお話します。
前回にも書いた通り、
受精すると元は1つの細胞だったものが「2個→4個→8個・・・」と増え、
成長していきます。
その後どうなるのかお話します。
その後も同様に分割を繰り返し、細胞数を増やしていきます。
そしてあるタイミング(受精から4,5日目あたり)で
分割した割球同士がくっつき始め、1つの細胞かのようになります。
この状態を『桑実胚』といいます。
桑実胚という名前は桑の実に似ていることから由来しています。
こちらは分割期胚と桑実胚の画像と動画になります。
こちらを観ていただくと、分割期胚では割球一つ一つはっきりと分かり、
桑実胚は割球同士がくっついている状態なのが分かると思います。
そして
桑実胚になった後は胚盤胞になっていくのですが、先にこちらをご覧ください。
こちらは当院での胚盤胞の分類方法です。
どのように評価するかというと・・・
胚盤胞には『胚盤胞腔』と呼ばれるすき間ができ、
成長するに連れ胚盤胞腔が大きくなっていきます。
当院ではそれの広がり具合でG1~6のスコアをつけています。
画像だけでは分からないかも知れませんので、補足説明すると・・・
まず、胚盤胞腔が少し現れ【初期胚盤胞(G1)】となります。
もう少し胚盤胞腔が広がると【胚盤胞(G2)】となり、
全体に広がると【完全胚盤胞(G3)】となります。
さらに広がって透明帯が薄くなっていくと【拡張胚盤胞(G4)】、
透明帯が大きさに耐えられず破れると胚が出てきて【孵化中胚盤胞(G5)】、
その後、完全に透明帯から脱出し【孵化後胚盤胞(G6)】となります。
こちらは【桑実胚~孵化中胚盤胞(G5)】の動画になります!
これを観ていただくと胚の成長が良く分かりますね!
胚盤胞凍結するタイミングは、受精から5,6日目のG3以上になった胚です。
6日目にしてまだG1やG2の胚に関しては、成長スピードが遅く、
妊娠の可能性が低いので凍結はしていません。
また胚盤胞の評価では、『将来胎児になる細胞』と
『将来胎盤になる細胞』の評価もします。
その評価を加味して、胚を凍結するかどうかや複数凍結出来た場合は
胚移植の順番を決めたりしますが、
その話に関しては次回お話したいと思います。
ということで今回はここまで!
それでは次回をお楽しみに~!