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Ninkatsu Column

自分で出来る「ツボ押し療法」 ~冷え症改善~

船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師
船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師

桂川レディースクリニック 「こうのとり鍼灸」担当鍼灸師 船越登紀夫です。

今回は、自分で出来る「冷え症改善のツボ療法」をご紹介します。

不妊でお悩みの方にも「冷え」を苦痛と感じている方も多く、
「冷え症を治せば少しでも良い結果が得られるのでは?」
と考えてしまうこともあるようです。

確かに、こうのとり鍼灸に来られている方の身体をみせていただくと、
「冷え」が目立っていることがよくあります。
ですが、「冷え」の全てが「不妊」と結びついているわけではなく、
身体の不調のサインのひとつと思っておいてください。

「冷え」だけでなく、
身体に感じる様々な不調は不快感や不安感となりやすく、
それらが大きくなったり長く続き過ぎるとそれがストレスとなり、
自律神経の働きを鈍らせたり、
ホルモンバランスを崩すきっかけになるおそれがあります。
そういう観点から考えると、
身体に感じる不調は出来るだけ取り除いておくことが
妊活には必要になると言えるでしょう。

「冷え症」って何? 定義ってあるの??
「冷え症」には客観的な検査基準はありません。
ご本人が「冷えがつらい」と感じていれば「冷え症」と定義されます。
あくまで「患者さん自身の主観的な訴えによる名称」なんですね。

その「冷えを感じる場所」によって、「四肢末端型」、「下半身型」、「内蔵型」、「全身型」などにタイプ分類されます。
だからと言って、「冷えを感じる場所を温める」ということが
冷えの改善につながるわけではないんです。

じつは、タイプによって原因となるものが、「代謝が悪い」、
「血管が太くならない」、「自律神経バランスが崩れている」など各々違うのです。その原因を見分けて対処していけば、
身体の不調を改善し妊娠しやすい身体づくりにつながるかもしれません。

冷え症のタイプ分け

手足が冷たく感じる 四肢末端型
身体の末梢部の血管が収縮して細くなり、
手足に「冷たさ」を感じるタイプです。
自律神経の働きで皮膚や末梢部の血管は
ストレスや恐怖心などで細くなりますから、
冷えを感じている時にそのような心理状態(緊張状態)に
なっている可能性があります。
長期間にわたって緊張状態が続くと、
下半身型のパターン②に進行することがあります。

「頭熱足寒」 下半身型
足先やふくらはぎが冷たく感じるタイプです。
デスクワーク、車の運転が多い方で
「下半身の筋肉を動かしていない」というパターンの人に多くみられ、
足のむくみが合併しているケースもあります(パターン①)。

その他、ストレスや不安、イライラして頭に血がのぼり過ぎているため
「のぼせ」がみられ、下半身(場合によっては腹部、子宮・卵巣)に
血液が回りにくくなっていることが考えられます。
だから「頭熱足寒」です。(パターン②)

あまり自覚はないけれど… 内臓型
どこかが冷えているという自覚はあまり無いのですが、
外部の温度変化によって内臓機能が左右されやすいタイプです。
例えば、冬場の寒さや夏のクーラーなどで身体が冷えると
下痢を起こしたり便秘になったりします。
これは普段から内臓血流が少ないため起こりやすい兆候で、
内臓の自律機能が低下している可能性を示唆します。

「寒い」と感じる 全身型
部分的に「冷たい」と感じるよりも、全身が「寒い」と感じるタイプです。
運動不足が続いている人やもともと筋肉量が少ない人に多くみられます。
毛細血管の発達と代謝が悪い人が多く、ふだんも体温も低い傾向にあります。

タイプ別の対処法
四肢末端型は、ストレスや恐怖心などによる
手足末端血管の「一時的な収縮」であることが多いです。
手足末端の血管が収縮して細くなるのは、
身体が緊張した時に働く「交感神経」によるものです。
緊張が解ければ血管はもとの太さに戻り、血流は改善します。
ですから、出来るだけリラックスを心がけ、
身体と心を緩めてあげるようにしましょう。

下半身型には、前述のように
「下半身の筋肉を動かしていない(むくみを合併しやすい)」というパターン①と、ストレスや不安、イライラで「頭に血が上り過ぎて下半身に血が回らない」
というパターン②があります。

パターン①であれば、スクワットやウォーキングなどで
下半身の筋肉を動かしてやれば改善することが多いのですが、
パターン②は頭に上り過ぎた血を下げてやらないといけません。

「頭に血がのぼる原因」は、ストレスや不安、
イライラなどによるものが多いので、
それらを解消することが必要となります。 (それが難しいんですけど…。)

頭に血が上り過ぎていると、
頭部に熱を持ち「のぼせ」を起こすことがあります。
そうなると、脳の温度が下がらず、質の良い睡眠が取れなくなるため、
疲れがなかなか抜けない、頭がぼ~っとしやすい、
などがみられるようになります。
このような場合、脳に溜まった熱を抜くために
「氷まくら」などを使って寝るようにすると良いでしょう。

内臓型は、内臓血流が少なくなりやすいタイプですから「
お腹を冷やさない」ということを心がけましょう。
腹巻きなどでお腹を「保温」し、
冷たいものを食べたり飲んだりは控えた方が良いでしょう。
前述のように「自律神経機能が低下している」という可能性が高いので、
そういう意味では不妊と間接的に関わっているかもしれません。

全身型は、「代謝が悪い」ということが原因です。
筋肉量を増やすことで、代謝が活発になり改善しやすいので、
運動習慣を身につけていきましょう。
激しい運動は必要ありません。
軽く汗をかく程度の軽い負荷の運動を習慣づけるのが望ましいです。

各タイプ別 ツボ療法
ツボ(東洋医学では「経穴:けいけつ」と呼びます)は、
全身に700ほどあります。
東洋医学では、症状の強さ、体質、目的に応じてツボに「鍼」や「灸」、
「指圧」などを使い分けるのですが、
今回はご自身で押しやすい「ツボ」をご紹介しますね。

四肢末端型の目的は「緊張緩和させること」

神門(しんもん)
 手掌側の手首のしわ上で、小指側にある腱の内側 手首の内側、
小指のスジをたどって、手首のスジとまじわるポイント、
やや薬指よりのところにあります

労宮(ろうきゅう)
手をグーにした時に中指の先端が手のひらに当たるところにあります。

曲池(きょくち) 肘(ひじ)の関節部分の上側。
ひじを曲げた時にできる横じわの延長上にあります

内関(ないかん) 手のひらを上に向けた際、
手首にできるしわの真ん中から指3本分ほど離れた、肘の方にあります

下半身型パターン①の目的は「下肢の血流を促すこと」 

湧泉(ゆうせん) 足の裏、土踏まずのやや上中央の、
足指を曲げたときにへこむ部分。

委中(いちゅう) ヒザ関節の裏の真ん中

承山(しょうざん) ふくらはぎのヒザと足首を結んだ中間 
ふくらはぎの中央部で筋肉とアキレス腱の変わり目のところに

下半身型パターン②の目的は「のぼせを解消し、頭に上り過ぎた血を下げること」

百会(ひゃくえ) 両耳を結んだ線とみけんを通る体の中心線が交わる、
頭のてっぺんによりも少し前にある

肩井(けんせい) 首を前に曲げたときに、
首の付け根の出っ張る骨(第7頚椎)と肩先の真ん中で、肩の盛り上がっている辺り。

天柱(てんちゅう) 後頭部の髪の生え際で、2本の太い筋肉に挟まれたくぼみを探します。 そこから左右へ親指1本分外側へずれたところにあります。

失眠(しつみん) かかと中央にあるツボです

内臓型の目的は「腹部に分布する自律神経の機能を取り戻すこと」

中脘(ちゅうかん) みぞおちとおへそを結んだ線の中間 

水分(すいぶん) 身体の真ん中をとおる「正中線」上で、
へそから親指幅1本分ほど上に位置します

気海(きかい) へその延長線上で、へその1寸5分(指1本半ほど)下

関元(かんげん) おへそから3寸ほど下に位置するつぼじゃ。
おへその下に手を置いて、指4本分(5〜6cm)下

血海(けっかい) 足の膝のお皿の上、内側の角から指3本分上がったところ

三陰交(さんいんこう) 足の内くるぶしから指4本分上

全身型の目的は「代謝を上げて体温を上げること」

腎兪(じんゆ) ヘソの高さ、ウエストの一番くびれている部分の
背骨から指2本分外側

志室(ししつ)  ウエストのライン上で背骨から指約4本分の位置

大椎(だいつい) 首を下に倒した時(首の前屈)下の方に触れる大きい首の骨(第7頚椎 けいつい)の真下

手三里(てさんり) 左右の肘関節橈側で、曲池穴の下2寸に取穴します。
図のように肘を曲げた時に出来る皺の先端から、
手首のほうに向かって指幅3本の位置にあります。

陰陵泉(いんりょうせん) ひざの内側の下にある太い骨(脛骨内側顆)の下にあるくぼみ

ツボの押し方
あまり難しく考えず、心地よい程度の刺激で押圧しましょう。
指で押しにくい場合は、ツボ押し棒やゴルフボールなどを使っても構いません。

いかがでしたでしょうか?

4つの冷え症のタイプをご紹介しましたが、
いくつかのタイプが合わさっているケースもありますので、
その場合は上記のツボを組み合わせてみてください。

ツボ押しは自分でも出来ますが
自分で押しにくい場所はパートナーにやってもらえば
スキンシップにもなって効果は倍増ですよ。

こうのとり鍼灸はこのような方におススメです。

◇ 冷えが気になる
◇ 疲れが取れない
◇ 自律神経が乱れているかも?
◇ 運動不足で代謝が悪い
◇ ホルモンバランスが悪い
◇ ストレスが溜まっている

もし、当てはまるものがあれば、
こうのとり鍼灸に相談に来てくださいね。
「健康」に近づけ、
一緒に妊娠しやすい身体づくりをしていきましょう。

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【こうのとり鍼灸ルーム】
開催日:毎週水・土曜日 14:00~19:00 
    受付時間(14時・15時・16時・17時・18時)
*施術時間は40分程度
場所:当院4階 エステルーム
料金:不妊治療サポート(鍼灸治療、自律神経調整を含む) 7,000円(税込)
担当:船越鍼灸整骨院 船越 登紀夫
*ご予約は1回分ごとの受付になります