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妊活コラム

Ninkatsu Column

自律神経を整える 

船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師
船越 登紀夫/船越鍼灸整骨院院長・鍼灸師・柔道整復師

桂川レディースクリニック こうのとり鍼灸担当の船越です。

妊活がうまくいくためには「自律神経」が整っていることが
望ましいと考えられます。
「自律神経」のバランスが崩れてくると
ホルモンバランスも崩れやすくなり、
自律神経に調節されている臓器や血管の働きが悪くなります。

「自律神経」のバランスが崩れてしまう原因として
「精神的ストレス」が代表的なものですが、
その他には「物理的ストレス」によることもあるのです。

【自律神経の位置 ①】

下図は自律神経(交感神経、副交感神経)が各臓器を支配している様子です。

左側の赤い線は「交感神経」、右側の青い線は「副交感神経」を示しています。

「交感神経」は脊髄から出た後、
「交感神経幹(赤い丸が縦に連なっているところ)」を経て
各臓器につながっていきます。

【自律神経の位置 ②】

次の図は「交感神経幹」の解剖学的位置を示しています。

「交感神経幹」が、背骨の横を縦に通っているのが分かると思います。

もしも、背骨に歪みやズレが発生すると、
背骨の横を走っている交感神経は
圧迫されたり引き伸ばされたりすることになります。

「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」に代表されるように、
神経は圧迫や引き伸ばしなどの「物理的ストレス」によって
障害を受けることが知られています。

自律神経も同じように「物理的ストレス」によって機能低下が発生し、
自律神経失調症状を呈することがあるのです。

【東洋医学的 背中の経穴(ツボ)の位置】

次の図は背中にある「経穴(ツボのこと)」の位置です。

経穴の多くが神経幹と同じように
背骨の横に位置しているのが分かると思います。

東洋医学では、臓器の状態把握と治療のためにこれらの経穴を使います。

全ての経穴が上記の「交感神経節」に一致しているわけではありませんが、
鍼灸治療ではこれらの経穴を刺激することで神経を介して
臓器の状態を調整するのです。

【自律神経バランスが崩れている方への不妊鍼灸治療の例】

妊活中の患者さんをみせていただいていると、
自律神経バランスが崩れていると思われる方が一定の割合でいらっしゃいます。
そういう方は、首筋から背中、腰にかけての筋肉のこわばりや
コリに左右差がみられ、背骨の歪み捻じれ、ズレが存在しています。
そして、上記の経穴に圧痛や膨隆、
陥凹などの反応がみられていることから
「自律神経のバランスが崩れている」と考えて鍼灸治療を組み立てます。

鍼やお灸で刺激を加えることで脊柱側の筋肉の硬さの左右差が少なくし、
背骨への捻じれ応力を減少させて圧迫や引き伸ばしの
「物理的ストレス」から交感神経節を解放してあげるのです。

【自宅で出来る自律神経バランスを整えるエクササイズ】

前述のように自律神経バランスが崩れている方は、
首筋から腰にかけての筋群がとても硬くなっています。
背骨の横の筋肉が硬いままだと「交感神経節」には
常に物理的ストレスが加わっていることになり、
自律神経がうまく働きません。

そのような方のために
背中の筋肉をほぐすエクササイズをご紹介しておきますね。

「お尻上げエクササイズ」

仰向けで膝を立て、ゆっくりとお尻を上げていきます。
背筋が伸びているのが感じられるように行いましょう。

「猫のポーズ」

ヨガでいう「猫のポーズ」ですね。
(牛のポーズともいうそうです)

四つ這いで背筋を伸ばし、その後背中を丸めていきます。
背中が柔らかくなることで肋骨もしっかり動くようになり、
呼吸がしやすくなるくらいが理想的です。

「伸びをする猫のポーズ」

四つ這いの姿勢から後ろに腰を引いていき、
猫が伸びをするように背筋を伸ばしていきます。

【エクササイズする際の注意点】

決して無理をせず、回数や時間などはご自身の体力、
柔軟性などで調節してください。

ほとんどの方が「実際のご自身の体力、柔軟性」が
分かっていないため傷めることが多いです。
「これくらいは出来るだろう」というご自身の見込みの
6割くらいから始めてください。(腹八分目、運動六分目です)