妊活コラム
Ninkatsu Column
必見!「精液検査」の見方
こんにちは、培養室です!
「不妊治療を始めたけど話が難しくてよくわからない…」
培養士として患者様と関わる中でよくお伺いします。
精子濃度?卵管?胚?人工授精と体外受精?
不妊クリニックに来た途端、難しい話と単語が飛び交って
治療の方針もよく分からないのでお任せします…
とおっしゃられる患者様も多くいらっしゃいます。
クリニックで分かることは患者様ご自身の身体のこと。
少しでも理解できれば治療の進め方にも納得でき、
自分にとってストレスの少ない治療の方法が
選択できる可能性が上がります!
そこで今回は患者様によく聞かれるご質問の一つ。
「精液検査」の数値の見方について少し詳しくお話します!
まず、「精液検査」とは…1回の射精で得られる精液の量や
精子の状態を調べる検査です。
当院では精液検査や人工授精、精子凍結の際、
下記の様な結果報告書をお渡ししています。

このような報告書は検査を行ったクリニックによって
数値の有無や意味が少しずつ異なる場合があるので
他クリニックで検査を行った場合は
そのクリニックの方に詳しく聞くようにしましょう!
➀患者様の情報
患者様(男性)の審査券番号、氏名、生年月日が記載されます。
その下に奥様(パートナー)の情報も記載されますので、
説明の際にはスタッフと一緒にご確認をお願いします。
②検査の実施日
③~⑩検査結果
左から、数値の項目、当院の基準値、ご提出された精液(調整前)、
調整した後の精子(調整後)となります。
当院の基準値:精液検査の基準値は世界保健機構(WHO)で定められていますが、
当院の基準値はそれよりも少し厳しめに設定されています。
少しでも多くの方が早く妊娠できるように、
早めのステップアップを視野に入れていただくためです。
調整前:ご提出された精液の検査結果です。
この値が基準値より高いか低いかをメインに見ていきます。
調整後:人工授精や精子凍結で精液の調整をした場合にのみ記載されます。
③精液量
④精液の色
精液の色は基本的には乳白色(白)です。
中には、尿や膿が混ざって黄色、
血液が混ざって赤やピンク色に見えることもあります。
⑤精液粘稠性
精液の粘度。
精液は射出されてすぐは含まれるたんぱく質の働きでドロドロしています。
しかし、30分程するとさらさらした液状に変わってきます。
⑥精子濃度
精液1mLあたりに精子がいくつ含まれるかです。
⑦運動率
精子の中には全く動いていないものやその場でピクピク動くもの、
場所を移動するものがいます。
運動率は全ての精子の内、その場でピクピク動くものと
場所を移動するものが全体の何%いるかを示しています。
⑧白血球
白血球は本来、血液に含まれるもので精液中には存在しません。
しかし、精液が運ばれる管(精管)などに炎症や感染が起こしている場合に
精液内に白血球が混ざることがあります。
⑨異常形態率
精子は大きく分けて左から、遺伝情報を持つ「頭部」、
尾を動かすエネルギーをつくる「中片部」、
前に進むための「尾部」で形成されており、
オタマジャクシのようなかたちをしています。

しかし、数ある精子の中にはこのような正常なかたちのものの他に、
頭部が大きすぎるもの、全体的にサイズが小さいもの、
中片部から尾部が2本出ているもの、
などいろいろなかたちの精子が存在します。
その異常なかたちの精子が何%存在するかが異常形態率です。
⑩直進率
運動率でお話したように、
精液に含まれる精子には様々な動き方の精子がいます。
直進率は何かしら動きのある精子の内、
まっすぐ前に進んでいる精子が何%いるかを示す数値です。
⑪備考欄
精液に赤血球やゼリー様の物質が混ざっていた際に記載されます。
このように、当院でお渡しする精液検査の結果の紙には
これだけ多くの情報が詰まっています。
この情報を基に全ての患者様ができるだけ早く
できるだけ適した方法で妊娠できるよう、
治療方針を決めていきます。
というところで今回はここまで。
また次回もお楽しみに。