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妊活コラム

Ninkatsu Column

不妊の検査を受ける前に

酒井まゆみ/不妊症看護認定看護師
酒井まゆみ/不妊症看護認定看護師

不妊治療の保険適応がはじまって、
治療の標準化、基準の治療の形ができてきました。

しかし、不妊医療の不確かさがなくなったわけではありません。
不妊の検査は、
効果的で系統的な治療をするために必用なものです。
(検査をするのは、その後の治療(治療方針)のためです)

「とりあえず検査をしてみて、原因があったら治療しよう。
そしたら、自然に妊娠できるかな(できたら、自然に妊娠したいな)」
と思われている方も多いのですが、
そこは、他の病気の検査とは違うところかもしれません。

検査をしても
すべての不妊原因を明らかにすることはできないですし、
たとえ治療をして、原因を取り除いたとしても、
必ず妊娠するとは限りません。
不妊原因があったとしても、妊娠することもあります。

検査を受けるときには、
あらゆる結果を想定してみましょう。
もたらされる可能性のある結果それぞれについて、
あなたやあなたのパートナーがどのように感じ、受け止めるのかを。

卵管造影検査で卵管が詰まっていた場合、
AMHの値が低値だった場合、
精液検査でよくない結果だった場合…
ショックを受け、
必要以上に焦ったり、不安になることもあります。

不安定な気持ちでは、
本当に望んでいたものを選択して、進んでいくことが難しくなることもあります。
相手を責める気持ちがでる。
相手に申し訳ない気持ちがでる。
(わかったことが全てではないということが、
  なかなか実感しにくいように思います)

原因がなくて(実際は、わからなくて)
安心する一方で、では、何でできないのかと、
より、宙ぶらりんの気持ちになる方もいてます。

そんな風に考えると、
不安な気持ちになるかもしれませんが、
過度な不安やネガティブになる必要はありませんが、
心の準備は大切です。

初診前にカウンセリングに来る方には、
病院に行ったら、
どんどん進んでいくようで不安、
入ってしまったら流れに乗りそう、
もっときちんと理解してから進みたい
自分はのめりこみやすいタイプだから、
のめりこんでしんどくなってしまいそうで不安
という方も多いです。

効果的で系統的な治療方針は医師が示してくれます。

その上で、
自分の考えや希望を伝えたり、
説明を求めたりできるのですが、
はじめてのこと、
自分の考えや希望が適切かどうか、
どんな情報を必要としているか
伝えることはなかなか難しいと思います。

少し不安がある、何かひっかかる、
そんな時には、
一人で抱えてがんばったり、我慢するのではなくて、
看護師に相談してみてください。