院長の不妊治療ブログ第25回 卵子の質を上げるビタミンD
スタッフブログ
皆さん、こんにちは!
桂川 レディース クリニック院長
生殖医療専門医の 桂川 浩 です。
当院を受診される女性患者様の
血中ビタミンDは低い傾向があります。
ビタミンDは卵子の質に関係し、
妊娠率や生産率に影響するとの論文が
発表されており、ビタミンD低下症では
妊娠率や生産率が低くなることが
報告されています。
ビタミンDは脂溶性のビタミンで、
カルシウムやリンの腸管からの吸収を
増やすことで骨の形成に関与することが
主な作用として知られています。
ただ、それ以外にも多岐にわたる作用が
存在し、免疫や細胞の分化や増殖にも
深く関わっています。
骨粗鬆症、がん、糖尿病、動脈硬化、
自己免疫疾患などとの関連がわかっています。
当院では卵子の状態の良くない方に
ビタミンDを測定しています。
ビタミンD値が19ng/mL以下に低下して
いる女性が、かなりの率で判明しました。
低下している方には、ビタミンDの
サプリメントを処方させていただき
治療を行っております。
内服前の平均が15 ng/mLであった患者様は、
サプリメント内服後に測定したビタミンD値が
平均35ng/mL(24-55 ng/mL)と正常値に
回復していました。
ビタミンDサプリメント2,000IU/日を
とっていただくことで改善している
ことがわかっています。
また、食事に関しては、魚類(イワシ、
サンマ、シラス干し、ブリ、小魚)や
キノコ(きくらげ、干しいたけ)などに
ビタミンDが豊富です。
さらに、紫外線を浴びることにより皮膚で
ビタミンDが合成されます。
両手の甲を約15分日光に当てるか、
木陰で約30分過ごすだけで十分とされています。
医療法人桂川レディースクリニック理事長/院長
桂川 浩
生殖医療専門医
産婦人科専門医・指導医
母体保護指定医
滋賀県産婦人科医会 副会長
京都大学博士(医学)