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妊活コラム

Ninkatsu Column

不妊治療の選択~二段階胚移植術、子宮内膜刺激術~

景山 郁/培養部
景山 郁/培養部

こんにちは、培養部です!

前回までは先進医療であるZyMotPICSIについてお話しました。

今回は移植時に使用できる先進医療である「二段階胚移植術」と
「子宮内膜刺激術」についてお話していきます。

皆さんは「自然妊娠」と「体外受精」
どのような違いがあるかご存知ですか?

身体的負担や料金、卵子と精子が受精する場所が違うなど、
書ききれないほどの違いがあります。

その数ある違いの中で今回のお話に関わるのは
「子宮と受精卵の同期状態」です。

まず、自然妊娠(受精~受精卵の成長~着床が体内で起きる)の場合…

受精卵と子宮は近くで互いに化学物質を出し合い、
お互いの情報を交換しています。

そして、受精卵と子宮はタイミングを合わせて着床へと進みます。

一方、体外受精(受精~受精卵の成長が体外、
着床が体内で起きる)の場合…

受精卵は体外で成長するので、子宮とは別の場所で着床へ進み、
着床の寸前に合流します。

つまり、受精卵と子宮間の情報の交換が不可能になり、
着床のタイミングを合わせることができません。

少しわかりづらいので

音楽の発表会に例えてみましょう。

受精卵は「歌手」、子宮は「ピアノ奏者」、
着床は「発表会本番」とします。

自然妊娠の場合、歌手とピアノ奏者は同じ場所で練習し、
発表会本番を迎えます。

一方、体外受精の場合、歌手とピアノ奏者は別々の場所で練習し、
発表会当日に初めて顔合わせをして本番に臨みます。

いくら歌手とピアノ奏者がベストな状態で本番に臨んだとしても、
初めて顔合わせをしたのでは
発表会は失敗に終わるかもしれませんよね。

こういった理由で着床が難しい場合があります。

そこで使用できるのが「二段階胚移植術」と「子宮内膜刺激術」です。

これらは、ぶっつけ本番だった発表会の前に
歌手(受精卵)の練習状況をピアノ奏者(子宮)に伝え、
発表会成功の可能性をあげる方法になります。

「二段階胚移植」、当院では2STEPと言いますが

培養2、3日目の初期胚を1個移植し、
その2,3日後に胚盤胞を移植する方法です。

つまり、1周期で初期胚と胚盤胞の合計2個を子宮内へ戻します。

先に移植した初期胚が刺激になり、
後に移植する胚盤胞の着床率の上昇を期待できます。

しかし、この二段階胚移植術では初期胚と胚盤胞の合計2個を
子宮に移植することになる為、多胎妊娠のリスクが上昇します。

(多胎妊娠について詳しくはこちら)

そこで複数個の受精卵移植による多胎妊娠のリスクを克服したのが
「子宮内膜刺激術」であり、当院ではSEET法と言います。

採卵の際に得られた培養液を子宮へ移植し、
その2,3日後に胚盤胞を移植する方法です。
受精卵の培養に用いた液の中には
受精卵由来の因子が存在するといわれており、
その液を子宮内に入れることで
子宮内膜が刺激されて着床率の上昇を期待できます。

移植する受精卵の個数が1個なので、
二段階胚移植の懸念点であった多胎妊娠のリスクを回避できます。

ただし、用いる培養液の採取には条件や数の限りがある為、
当院で子宮内膜刺激術を希望される場合は必ず医師へ相談し、
培養液の有無をご確認ください。

今回の妊活コラムはここまで!

また次回もお楽しみに!