妊活コラム
Ninkatsu Column
PGT-Aってどんな検査?~実際のバイオプシーの様子をご紹介~
こんにちは!培養部です。
少しずつ秋らしい季節になってきましたが、
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回のコラムでは、
当院で実施している「PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)」について
ご紹介したいと思います。
PGT-Aとは?
PGT-Aとは、胚の染色体の数に過不足がないかを調べる検査です。
体外受精や顕微授精によってできた受精卵は、
培養を続けると「胚盤胞」と呼ばれる段階まで成長します。
見た目が良好な胚盤胞であっても、
染色体の数がすべて正常とは限りません。
そこでPGT-Aでは、
胚盤胞の一部の細胞を採取して検査を行い、染色体数に関する情報を得ます。
PGT-Aを行うメリット
PGT-Aを行うことで、胚の染色体数についての情報を得ることができます。
通常の胚の評価では、
胚盤胞の形や細胞の状態など、
主に「見た目」をもとに移植する胚を選びます。
一方、PGT-Aでは、
見た目だけでは分からない染色体数に関する情報を加えて、
移植する胚を検討することができます。
染色体数に異常がある胚では、
着床しにくかったり、妊娠後に流産となったりすることがあります。
そのため、PGT-Aによって染色体数に関する情報を得ることで、
移植する胚を検討する際の判断材料の一つとすることができます。
また、複数の胚盤胞が得られた場合には、
それぞれの検査結果を比較しながら、
どの胚を移植するかを検討できることもメリットの一つです。
どのように細胞を採取するの?
PGT-Aでは、胚盤胞そのものを検査するのではなく、
胚盤胞の外側にある「TE(栄養外胚葉)」と呼ばれる細胞の一部を
採取して検査します。
まず、胚盤胞を顕微鏡で確認しながら、
透明帯と呼ばれる胚を包んでいる膜の一部をレーザーで開口します。
そこから出てきたTEの細胞を、
専用のピペットを使って慎重に採取します。
実際のバイオプシーの様子を動画でご紹介します。
動画では、胚盤胞を保持しながら
TEの細胞を採取している様子をご覧いただけます。
作業は顕微鏡下で胚の状態を確認しながら慎重に行います。
PGT-Aを行った後は?
採取したTEは凍結保存し、検査会社へ提出します。
また、細胞を採取した胚盤胞も凍結保存します。
検査会社で染色体の数について解析が行われ、
検査結果が届いたら、医師から患者様へ結果をご説明します。
その後、検査結果をもとに、
患者様と相談しながら移植する胚を決めていきます。
このように、PGT-Aでは、
採卵後に体外受精または顕微授精を行い、胚盤胞まで培養した後、
バイオプシー、凍結、検査結果の確認を経て、移植する胚を検討していきます。
PGT-Aにはリスクや限界もある
PGT-Aは、胚の染色体数に関する情報を得られる検査ですが、
次のようなリスクや限界があります。
- バイオプシーによる胚への影響
胚盤胞からTEの細胞を採取する際に、
胚へ影響を与える可能性があります。
- 検査結果が胚全体を反映するとは限らない
胚盤胞の一部のTEを検査するため、
検査結果が胚全体の染色体の状態と完全に一致するとは限りません。
- モザイク判定がある
染色体数の異なる細胞が混在している可能性があり、
結果の解釈が難しい場合があります。
- 移植できる胚が得られない場合がある
PGT-Aの結果によっては、
移植を検討できる胚が少なくなったり、得られない場合があります。
- 妊娠・出産を保証するものではない
PGT-Aは染色体数に関する情報を得るための検査であり、
検査結果だけで妊娠や出産が保証されるものではありません。
PGT-Aの対象となる方
PGT-Aは、すべての患者様が対象となる検査ではありません。
当院では、PGT-Aを希望される患者様のうち、
所定の条件を満たし、医師が適応を確認したうえで実施しています。
詳しい対象条件や実施については、診察時に医師へご相談ください。
最後に今回は、PGT-Aについてご紹介しました。
PGT-Aでは、胚盤胞からTEの細胞を採取して検査することで、
通常の胚の形態評価だけでは分からない染色体数に関する情報を
得ることができます。
一方で、メリットだけでなく、
リスクや限界についても理解したうえで検討することが大切です。
今回掲載した動画を通して、
普段患者様が見ることのできない培養室でのバイオプシーの様子を、
少しでも身近に感じていただければと思います。
気になることや詳しく知りたいことがありましたら、
診察時にお気軽にご相談ください。
今回は以上になります!
最後までご覧いただきありがとうございました。
また次回もお楽しみに~👋