
妊活コラム
Ninkatsu Column
「第66回日本卵子学会学術集会に参加してきました!」

こんにちは、培養部です。
6月に入り、晴れた日は暑くなってきましたね!
ただ、夜は窓を開けて寝るとまだ少し肌寒く、
布団や服の調整が難しいです…
普段より一層体調が崩れやすい日が続きますので、
ご自分の身体を大切になさってくださいね。
今回は5月31日と6月1日に開催された「第66回日本卵子学会学術集会」に
参加してきたので、そのことについてお話します!
今回の卵子学会は広島コンベンションホールで行われました。

朝から新幹線で広島まで…朝早かったので新幹線が空いていたのもあり、
約2時間快適に時間を過ごすことができました☺
開催日当日の広島は晴れ!
日中外にいるとジリジリ暑かったです🌞
今回の学会も、卵巣刺激、顕微授精や胚培養士そのものにフォーカスしたものまで、幅広い演題の発表がありました。
その中でも私が特に面白い!と思ったのは「AI」についてです!
皆さんはAIと聞くと何を思い浮かべますか?
最近はAIの技術も大きく発展し、
「こんなの描いて!」というだけでイラストができあがったり、
「これどう思う?」と聞いただけで様々な案があがったり…
とても便利なものですよね。
(ただ、AIが人間を制圧する…なんて映画もあって、
それを観るとAIに頼りきりは怖いな~と思ったりもしてしまいます…💦)
そんなAIですがここ数年で不妊の分野にも取り入れられています。
代表的なものとして、胚のスコアリングをしてくれるものがあります。
タイムラプスインキュベーターに
胚の評価を行ってくれるAIソフトウェアが搭載されているものがあります!
タイムラプスインキュベーターとは、カメラ付きの培養庫です。
一定間隔(当院では15分間隔)で自動的に胚の写真を撮ってくれるもので、
胚を外に取り出さなくても観察が容易に行えること、
写真で記録されているので過去をさかのぼって胚の成長を見ることができること、
が特徴の培養庫です。(タイムラプスについて詳しくはこちら)
そのタイムラプスインキュベーターにAIが搭載されており、
膨大な成長パターンのデータから自動的に
胚質の良し悪しをAIが判断してくれます。
それを基に、移植する胚の順番を決めることで、
観察者の個人差が出ないよりフラットな順位付けが可能になります。
またそれに加えて、顕微授精で用いる精子の判別AIも話題に上がっていました。
顕微授精(詳しくはこちら)では、
胚培養士が運動性・形態の良好な精子を1つ選択し、卵子に注入します。
この選択も培養士によって熟練度の差が生まれるところになってしまいます…
そこでAIが代わりに形態や運動性を見て、
膨大なデータを参考に精子の順位付けをしてくれます。
その順位付けを見て、培養士が顕微授精を行う…というものです。
今回の卵子学会ではそんなAIについての演題がいくつかありました。
まだまだこれからさらに発展していく不妊治療の技術。
皆様の妊娠や出産のお役に立てるよう、
最新の情報をこれからも学んでいかなければ…と感じた学会参加でした。