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≪精液検査 〜液化・精液の様子について〜≫

小田 沙希恵/臨床検査技師 生殖補助医療胚培養士 認定臨床エンブリオロジスト
小田 沙希恵/臨床検査技師 生殖補助医療胚培養士 認定臨床エンブリオロジスト

こんにちは、培養部です。
今回から精液検査についてお話していこうと思います😊
というのも、まず培養室で働くと最初に携わるのが、
精液調整で(たぶん多くのクリニックでもそうかな?と思います)、
新人さんもオリエンテーションや勉強などを終えた後、
精液検査を先輩から指導されながら練習していきます。
そんな基礎でとっても大事な検査なので、
まずは精液検査からお話していきたいと思います🌟

【精液検査の手順】
①精液カップを受け取る
②液化の確認
③数や運動率などを計測する
④結果を記録する

これが大まかな流れです。
この中で今回は≪液化≫≪精液の様子≫についてお話しさせて頂こうと思います。

≪液化≫
液化とは・・・射精直後の精液は塊のようで、
さらさらした液体ではありません。
採取後室温に数分置くと精液は多くの場合は液化し始め、
やがて均一な液体となります。
通常室温放置で60分以上かかることはめったになく、
多くの場合15分以内に液化が完了します。
液化しない場合はさらに時間をおいて液化を確認します。

ちなみに液化の確認にはピペットで粘性を確認します。
(粘性が高いと、吸いづらかったり、糸を引きます)
このように液化を確認してから計測を始めますので、
精液検査や人工授精に精子カップを持参して頂いた場合に比べて、
院内採精して頂いた時はお待たせする時間がかかります😞💦

≪精液の様子≫
液化した正常の精液は、不透明で乳白色ですが
精子濃度が非常に低い場合は透明に見えますが、
色は異なっており、赤血球が混入(血精液症)している場合は赤褐色を呈し、
黄疸がある男性やビタミン剤や薬を内服している場合には黄色調を呈しています。

正常の色ではないから全てが病気かというとそうではなく、
多くの場合問題がないことが多いのですが、
まれになんらかの病気が隠れている場合がありますので、
色に関しても精液所見の報告書に記載しています📝

このように、精液の色を見ただけでも色々な事が分かります❗️
熟練の培養士さんになると、精子の数が精液の外見を見ただけで、
「すごく少ないかも…。」とか「しっかりいそう。」とか分かるようになるといいます。😳❗️

今回は精液検査の計測前の≪液化≫、
それから≪精液の様子≫から分かることについてお話しさせて頂きました。
最後までご覧頂きありがとうございました😊
また次回もお楽しみに〜👋