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Ninkatsu Column

不妊治療の選択~タイムラプスインキュベーター~

塩見 朋也/胚培養士
塩見 朋也/胚培養士

こんにちは!培養部です。
暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今回は、体外受精で大切な役割を果たしている
「タイムラプスインキュベーター」についてご紹介します。

「タイムラプスとは何だろう?」「普通の培養と何が違うの?」と
疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、その特徴やメリットについてお話ししたいと思います。


【タイムラプスインキュベーターとは?】


体外受精では、
採卵した卵子と精子を受精させた後、受精卵(胚)を数日間培養します。

胚は非常に繊細で、温度や二酸化炭素濃度、
酸素濃度などが一定に保たれた環境で育てることが大切です。

これまでは、
胚の発育を確認するためにインキュベーターから取り出し、
顕微鏡で観察していました。

しかし、観察は短時間であっても、
その間は胚が培養器の外の環境にさらされることになります。

タイムラプスインキュベーターは、
培養器の中に小型カメラが搭載されており、
胚を外へ取り出すことなく一定時間ごとに自動で撮影を行います。

そのため、培養環境をできるだけ変化させることなく、
胚の成長を継続して観察することができます。


【タイムラプスで分かること】

通常の観察では、その時点の胚の状態しか確認できません。

一方、タイムラプスでは、
受精から胚盤胞になるまでの発育を連続して記録できるため、
「いつ細胞分裂したのか」
「分割のスピードは適切か」
「分裂の仕方に特徴はないか」など、
静止画だけでは分からない多くの情報を得ることができます。

このような特徴から、
タイムラプスインキュベーターを用いた胚培養
より良い培養環境の提供や胚の評価に役立つ技術として、
先進医療に位置付けられています。


培養士は、
胚の見た目だけでなく、このような発育の経過も参考にしながら
一つひとつの胚を丁寧に評価しています。
こうした情報は、胚の状態をより詳しく把握するための
大切な手がかりとなります。


当院では、
体外受精を受けられるすべての患者様に
タイムラプスインキュベーターを用いた胚培養を行っています。

そのため、「タイムラプスを希望するかどうか」を
患者さまに選択していただく必要はありません。

すべての患者様が安定した培養環境で胚を育て、
詳細な観察を受けられる体制を整えています。

なお、タイムラプスインキュベーターを使用したからといって、
すべての方の妊娠率が必ず向上するわけではありません。

しかし、培養環境を一定に保ちながら、
より詳しく胚の発育を観察・評価できることは、
大きなメリットと考えられています。

当院では、
これからも患者様に安心して治療を受けていただけるよう、
培養技術や設備の向上に努め、
一つひとつの胚を大切に培養していきます。

気になることやご不明な点がありましたら、
どうぞお気軽に医師やスタッフ、培養士へご相談ください。

今回は以上になります!
最後までご覧いただきありがとうございました。
また次回もお楽しみに~👋