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妊活コラム

Ninkatsu Column

夏のイベントを楽しめない私は、おかしいのでしょうか?

上田 聡代/不妊症看護認定看護師
上田 聡代/不妊症看護認定看護師

夏になると、花火大会やお祭り、旅行、バーベキューなど、
楽しそうなイベントが増えてきます。
SNSを開けば、友人や知人の笑顔や家族との思い出が次々と流れてきます。

そんな投稿を見て、「なんだか苦しくなる」「素直に『いいね』が押せない」
「自分だけが取り残されている気がする」と感じたことはありませんか。

夏になると……

妊活中の方から、このような気持ちを相談されることは少なくありません。

「こんなことで落ち込むなんて、心が狭いのでしょうか。」
「以前は楽しめていたのに、今はイベントに行く気持ちになれません。」

そのような気持ちは、決して特別なものではありません

妊活中は、「来年の夏は赤ちゃんがいるかもしれない」
「今年こそ家族が増えていると思っていた」
という未来を思い描きながら過ごしている方がたくさんいます。
そのため、夏という季節が来るたびに、「思い描いていた未来」と
「今の現実」との間にあるギャップを感じやすくなるのです。

さらに、SNSには「楽しい瞬間」が切り取られて投稿されます。
その一枚の写真だけを見て、「みんな幸せそう」
「自分だけうまくいっていない」
と感じてしまうことがあります。

でも、SNSには写っていない時間があります。

誰もが悩みや不安を抱えながら生活しています。
それでも、楽しい瞬間だけを投稿していることがほとんどです。
だからこそ、画面の向こう側と自分の毎日を比べる必要はありません

それに、「夏を楽しまなければ」と思う必要もありません

今年は暑さを避けてゆっくり過ごす夏でもいい。
夫婦で好きなカフェに行くだけでもいい。
冷たいアイスを食べながら映画を見る休日でもいい。

夏の過ごし方に正解はありません。

妊活をしていると、「今しかできないことを楽しんで」と言われることがあります。
しかし、その言葉がかえって苦しく感じる方もいます。
無理に前向きになろうとしなくても大丈夫です。

「今日は少し気持ちが沈んでいるな。」
「今日はSNSを閉じよう。」
そんなふうに、自分の心の変化に気づき、自分を守る行動を選ぶことも、
妊活を続けるためには大切なセルフケアです。

夏のまぶしい景色がつらく感じる日があっても、
それはあなたがおかしいからではありません。

大切な未来を願っているからこそ、心が揺れるのです。

今年の夏は、誰かと比べるための夏ではなく、
自分の心を大切にする夏にしてみませんか。