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妊活コラム

Ninkatsu Column

《受精確認について》

塩見 朋也/胚培養士
塩見 朋也/胚培養士

こんにちは!培養部です。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
さて、前回、前々回と『受精方法について』をお話しました。
今回は『受精確認について』お話したいと思います。

受精確認とは、『受精方法について』で
お話させていただいた受精操作を行った翌日に
受精したかどうか確認することです。

受精確認は、【前核】と呼ばれる核を数えて判断します。

受精確認時にみられる所見は、大きく分けて5つあります。

①正常受精卵(2PN)

中央に見える丸いものが前核で
精子・卵子それぞれに由来した前核2個
確認できれば正常受精卵と判断されます。

②1前核卵(1PN)

前核が1個確認できる受精卵です。
 精子か卵子どちらかの前核のみ現れている場合、
 または前核2個が重なって見えている場合などに起こります。
 後者の場合、倍数性には問題なく正常な2倍体と考えられ、
 妊娠・出産に至っていることが報告されています。
 しかし、前核が2個確認できているわけではない為、
 移植順位としては低くなります。

③未受精卵(0PN)

前核が確認できない未受精卵です。

しかし、時間経過で前核が確認できる場合や
分割していくこともあるので継続して培養します。

④異常受精卵(3PN以上)

前核が3個以上確認できる受精卵です。
これは精子が複数入る多精子受精や、
精子か卵子に倍数性異常がある場合などに起こります。

3前核以上の場合は異常受精と判断し、培養中止となります。

⑤変性卵

卵細胞が変性しており、細胞の活動が停止しているので培養中止となります。

受精確認は胚移植の順番にも関わってくる重要な部分なので、
ダブルチェックをして判断しております。

どのようにして確認しているかと言いますと、

当院では【タイムラプスインキュベーター】を用いて受精確認をしております。

インキュベーター(培養庫)の外に胚を出さずに
培養環境を一定に保った状態(37℃)で、
胚の発育過程を観察できるシステムで先進医療に認定されています。

15分間隔で画像を撮影し、保存されるため、
正確に受精確認を行うことができます。

こうして受精確認した結果を、
採卵後の受精確認の電話の際にお伝えさせていただいております。

今回は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました!
次回はタイムラプスインキュベーターについてお話しようと思います☺

お楽しみに~👋