妊活コラム
Ninkatsu Column
新先進医療~β2GPIネオセルフ抗体検査~
不育症とは、妊娠はできるが流産や死産を繰り返してしまい、
生児を出産することが難しい場合のことをいいます。
不育症の原因として、
ホルモンの異常や自己免疫疾患などがあげられます。
しかし、不育症患者の半数以上は
その検査をしたうえでも原因不明となり、
妊娠から流産・死産を繰り返していました。
そこで、当院では新しく「β2GPIネオセルフ抗体検査」が
先進医療で実施可能となりました!
「β2GPIネオセルフ抗体検査」とは、
不育症や不妊症の原因であるβ2GPIネオセルフ抗体を
血液から検出する検査です。
β2GPIネオセルフ抗体とは、自己抗体の一種です。
私たちの身体は、外から細菌やウイルス(抗原)が侵入してくると
それらを排除するたんぱく質(抗体)を作り出します。
これらの身体を守る機能を「免疫機構」と呼びます。
本来はその免疫は自分自身を攻撃することはありませんが、
何らかの原因でその免疫機能に異常が起こってしまい、
自分自身を攻撃してしまう抗体(自己抗体)を作り出してしまいます。
そういった状態を「自己免疫疾患」と呼び、
代表的な疾患としては、関節リウマチ、
全身性エリテマトーデスなどがあげられます。
この自己免疫疾患が不育症の原因の一つになるのです。
例えば「抗リン脂質抗体症候群」は
抗リン脂質抗体と呼ばれる自己抗体が
血中に作りだされてしまう疾患です。
その自己抗体によって、
本来は出血した時にだけ固まる血液が
血管の中で固まってしまうようになります。
その血の塊を「血栓」といい、
血栓によって身体の様々な部位の血管が詰まってしまいます。
妊娠中の女性の場合、
その血栓が胎盤の中にできてしまうことがあります。
胎盤は赤ちゃんを育てるためのとても大切な臓器です。
その胎盤に血栓ができ、
血液が流れなくなってしまうことで流産や死産になってしまうのです。
近年、抗リン脂質抗体症候群の原因となる
新たな自己抗体として発見されたのが
「β2GPIネオセルフ抗体」です。
β2GPIというたんぱく質は細胞膜を構成するリン脂質に結合して
血液の凝固反応や血小板の凝集を抑制しています。
そこに自己抗体が作成されると血栓ができやすくなり、
不育症になってしまいます。
このβ2GPIネオセルフ抗体を調べる「β2GPIネオセルフ抗体検査」では、
今までの検査では原因不明であった不育症患者のうちの
約2割が陽性であると判明しました。
そして、その治療を行うことで生児獲得率は
80%以上にまで上昇するとの研究もあります。
検査は採血でできるため、
当院ではβ2GPIネオセルフ抗体検査は
他の不育症検査と同時におこなっております。
この検査に興味がある方はご来院の上、
医師やスタッフにぜひご相談ください。
今回の妊活コラムはここまで。
また次回もお楽しみに!