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Ninkatsu Column

妊活中のサプリメントVol2.  ~妊活サプリメントを選ぶヒント~

上田 聡代/不妊症看護認定看護師
上田 聡代/不妊症看護認定看護師

妊娠に必要な栄養素は、バランス良く食事から摂取することが理想です。
どのサプリメントが必要なのかは、食生活で変わってきます
今回は、食事では摂取が難しいもの
特に妊娠と関係すると論文や学会で発表されているものを紹介します。

  • 葉酸

妊娠初期、赤ちゃんの脳や神経、心臓など、
体のあらゆるものが発達する時期に必要な栄養素です。
この時期に、葉酸が不足してしまうと、
二分脊椎や無脳症などになる可能性が高くなってしまいます。
食事から摂取する葉酸は、水溶性で、水に溶けだしやすく、
加熱調理で多くの栄養が逃げてしまうので、不足しやすくなります。
厚生労働省では、日本人の平均では、1日400㎍(マイクログラム)を、
サプリメントで補うことを勧めています。
妊娠の約2か月前から補うことが理想なので、
「あかちゃんがほしいなぁ」と感じたら、摂取したいサプリメントです。

  • ビタミンD

魚介類や卵に多く含まれているビタミンDは、
卵子の質や着床と深い関わりがあることが分かってきています。
この栄養素が不足してしまうと、
体外受精の妊娠率低下や習慣性流産への関わり、
排卵障害が起こってしまう可能性があると指摘されるようになってきました。
男性でも精液所見が良くない方では不足していることがあります。

食事以外に、日光を浴びるとビタミンDは生成されますが、
紫外線対策などで、十分に生成されていない人が
増えてきている傾向にあるそうです。

桂川レディースクリニックでは、血液検査でビタミンD量を確認し、
不足している人には、サプリメントをおススメしています。

  • ラクトフェリン

妊娠の成立には、子宮内膜が胚(受精卵)を受け入れる準備が
整っていることが重要です。
従来、子宮の中は無菌といわれていましたが、
子宮内にもさまざまな細菌がすみついており、
フローラ(細菌叢/そう)が形成されていることがわかりました。

さらに近年、体外受精を受けている女性を対象に妊娠率等を調べた結果、
「子宮内フローラの90%以上をラクトバチリスが占める正常群では、
妊娠率・妊娠継続率・生児獲得力が上昇する」という研究結果が発表されました。
このように、子宮内フローラを整え、
子宮内環境の改善が期待される成分として、注目されています。

このラクトフェリンは、熱や胃酸に弱く、
市販の乳製品ではほとんど摂れません(・_・;)

  • DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)

副腎や卵巣で産生される性ホルモンのひとつです。
DHEAは男性ホルモンの一種ですが、
女性の体内ではエストロゲンを作る材料になり、
不妊症の改善に効果が期待できることから、
マザーホルモンとも呼ばれています♪
DHEAの摂取により、
体外受精・顕微授精のための採卵数が増えるという報告が、
アメリカの専門誌で紹介され、学会でも報告されています。

DHEAは、20歳頃にピークに達しますが、
その後、加齢とともに減少の一途をたどります。
40代では半分に、80代ではほとんど分泌されなくなります。

  • カルニチン

カルニチンは妊娠を望むご夫婦に一押しのサプリメントと言われています。

カルニチンは、私たちの食べた脂肪を細胞内のミトコンドリアに取り込み、
エネルギーに変える働きをします。
卵子や精子、受精卵の細胞の中にもミトコンドリアがあり、
カルニチンはエネルギーを産生して、
細胞の発育や成熟を助ける重要な働きをしています。

カルニチンは本来、体内で作られますが、加齢や心身のストレス、
栄養バランスの乱れなどによって産生量が減少する心配があります。
カルニチン産生量が減ると、卵子や精子の成熟、
あるいは受精卵の発育を障害するのでは…と考えられています。

  • 亜鉛

細胞分裂や着床に関係するホルモンの合成や
酵素のサポーターとして知られている亜鉛は、
大切なミネラルの一種です。

男性では前立腺や精子に多く存在し、性ホルモンの合成や精子の生成など、
生殖器官と深い関わりがあります。
女性の生殖機能の発達にも大切な栄養成分で、
細胞分裂によって新しい細胞を作ることや遺伝子情報の伝達にも
欠かすことができません

亜鉛は体内で作ることはできないので、
食べ物から摂取しないといけません。
しかし、最近は食生活の変化から、
男女ともに亜鉛不足が心配されています。

鉄、ビタミンC・・・とキリがないので、今回は、ここまで!(^^)!

何度も繰り返しますが、食生活はで、足りていない栄養素を補うものが、
サプリメントになります。

ご夫婦の食生活を見直し、不安があるときは、主治医に相談してください。

桂川レディースクリニックに通院中の方は
栄養士が、具体的に何が不足しているのか、どんな工夫をしたら、
より妊娠しやすいカラダに近づけるかを、
一緒に考える栄養相談を無料で受けることができます。
ご予約は、スタッフまでどうぞ(^^♪

は赤血球を作ったり、体内へ酸素を運んだりという働きをします。
また、排卵障害の改善に役立つという調査結果もあります。
妊活中においては、子宮の粘膜を作るため、
鉄が不足してしまうと受精卵の着床がしにくくなってしまいます。
女性は毎月、月経で鉄が失われるため、
妊娠可能な年齢の女性のほとんどが貧血になりやすいです。

鉄には「非ヘム鉄」「ヘム鉄」があります。
非ヘム鉄は、野菜や海草などの植物性食品に含まれていて、
体への吸収率は5%以下と低いです。
ヘム鉄は、肉や魚などの動物性食品に含まれていて、
体への吸収率は10~30%ほどです。

なお、ビタミンCは鉄の吸収率が高まります。
また、赤血球をつくるのにビタミンB12と葉酸とたんぱく質が同時に使われるので、合わせてしっかり摂ることをおすすめします。

ただし鉄の摂りすぎも身体によくありませんので、
漫然と飲むことはおすすめしません。
できれば血液検査でフェリチンなどを調べ、
足りなければさらに足し、
過剰であれば飲む回数を減らすなどして調整しましょう。